2012年12月10日月曜日

走りながら考えるメディアマーケティング: 独自路線か連携か――Yahoo!ニュースの膨大なアクセスを無視できない新聞社

 ※ITmediaの記事:会員にならないと全文を読めないのですが、全文掲載しております。

 
走りながら考えるメディアマーケティング: 独自路線か連携か――Yahoo!ニュースの膨大なアクセスを無視できない新聞社


出典:ITmedia 藤代裕之氏の記事

担当:iまとめ
■ 寄稿者も結論には至っていないので、新聞業界のデジタル化についての傾向を知るのみの内容。
■ デジタル系新聞の購読者は、40~50歳代を中心としたメディアで、ハイクラスなどへのコミュニケーション媒体として考えられれば効果は見込めそう。
■ 媒体社や代理店媒体局担当に、ハイクラスの広告・プロモーションの提案を求めても、経験上いいものがあまり出ないので、詳しいデータを持った、マーケター、プランナーが企画しないと、いいプランにはならないと思う。


朝日新聞デジタルがYahoo!ニュースに記事を配信

 2012年10月、新聞業界に小さな波紋が広がるニュースがあった。朝日新聞デジタルがYahoo!ニュースに記事配信を始めたのだ。前身のasahi com時代からgooニュースには配信していたが、ジャイアンYahoo!ニュースの膨大なアクセスが無視できなくなったのだろうか?
 2009年にニールセン(ネットレイティングス)が発表した、新聞系ニュースサイトの調査では、毎日jpの全トラフィックの5割前後がYahoo!ニュースからの流入だった。ニュースサイトのビジネスモデルは「第5回 じゃあ、新興勢力のオンラインニュースはどうなのか?」で触れたが、広告収入モデルではアクセス数を増やすのが重要になるため、Yahoo!ニュースのトピックスで取り上げられることは広告収入増に結びつく。一方で、依存関係が強まりすぎると独自性が失われる。
 この微妙な関係を脱しようと「対Yahoo!」を合言葉に共同通信と地方紙が中心となり、新たなニュースポータルを目指して2006年に「47ニュース」を開設したものの、アクセスは低迷、新聞業界はニュースサイト界の第三極にすらなれずにいる。

日経の電子版は会員数20万人を突破

 ただし、最近は状況が変化している。「電子版」の波が押し寄せているのだ。
 電子版? そもそもインターネットのニュースサイトも「電子」版じゃないのか?! というご指摘はさておき、新聞系サイトが言う電子版とは有料で提供する「紙レイアウトで読める」タイプだ。2008年に産経新聞がiPhone版の電子版を出したが無料での提供だった。状況が変わったのは、2010年に始まった日本経済新聞の電子版からだ。月4000円という高額会費だが、創刊から2年で有料会員が20万人を突破した。月4000円は、新聞界のデジタル先進企業ニューヨーク・タイムズのPC、スマホ、タブレットで読めるプラン(1週間8.75ドル、4週で35ドル)より高い。
 一方で、朝日は月3800円の有料会員数が約5万人と言われている。新聞では朝日786万部、日経297万部と倍近く朝日が多いが、インターネットでは日経が圧勝だ。Yahoo!ニュースへの配信で露出を増やして会員増につなげたいのだろう。ただし、日経はYahoo!ニュースに配信はしていないが、まったく無関係というわけではない。Yahoo!ニュースでは配信を受けていない記事に直接リンクすることがあるが、日経電子版の記事にも時々リンクしている(自分が書いた記事がリンクされたから分かった)。

朝日デジタルの年齢層は50代が中心

 興味深いのは朝日デジタルの年齢層だ。「日本を代表するニュースサイト」は50代の読者が最も多い。朝日デジタルも紙同様、おじさんメディア化していくのだろうか。
 では日経電子版はどうか。読者を地域別に見ると、無料版/有料版を合わせた全体では関東圏居住者は57%だが、有料版のみに絞ると67%に上昇する。役職についても、会長/役員が17%から22%に、部長が12%から15%に、世帯年収も1000~2000万円が19%から34%に上昇する。有料版のほうが「優良な会員」が集まっていそうだ。
 朝日と日経のことばかり書いてしまったが、毎日新聞は今のところ、毎日jpの有料化には取り組んでいない。読売新聞には女性向けサイトの大手小町があるが、他新聞との読者層の差別化は厳しそうだ。ちなみに、読売の電子版は月額157円という破格の価格設定だが、紙の購読が必須条件。電子版のみのプランはない。紙部数ナンバーワンだからこそとれる読売ならではの戦略といえる。
 ビジネス紙としての特徴を活かして、首都圏のスマートフォンを使うビジネスユーザーを取り込みながら電子版の読者層を拡大する日経に対して、購読無料のビジネスモデルを採用し続ける毎日jp、そしてやや迷走中の朝日……。彼らはいったいどこに行くのだろう。

ニュースサイトユーザー数(月間)有料版会員数特徴主な購読者の年齢(%)男女比
朝日新聞デジタル1800万5万日本を代表するニュースサイト50代30.7、40代24.8、30代11.669.8対30.2
毎日jp(毎日新聞)1781万歴史と信頼。時代の先頭を走るデジタルサービスの展開40代24.5、50代23.2、30代18.169.2対30.8
YOMIURI ONLINEホームユーザー692万、ワークユーザー405万――最新ニュースからライフスタイルにあわせた情報が満載40代28.7、30代21.8、50代23.962.1対 37.9%
日本経済新聞電子版800万21万――40代27、30代22、50代2085対15

注:YOMIURI ONLINEのみニールセンデータ。毎日新聞は今のところ、毎日jpの有料化には取り組んでいなが、タブレット端末向けの有料サービス「TAP-i」を提供している。

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