2013年5月28日火曜日

アジアを魅了「カワイイ」文化 吉本興業の“伝道師”

3月30日に開催された「台湾スーパーガールズフェスタ(SGF)」。藤井リナがランウェーを歩くと大歓声が湧いた 
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「キャー、カワイー!」「ダイスキー!」。つけまつげに巻き髪、派手なネイルでおしゃれに着飾った10~20歳代の女性が日本語で叫んでいた。「こっち見て」「手を振って」と日本語で書かれた手作りのボードを掲げ絶叫する子もいる。
 ここは台湾・台北の大型展示ホール。今年3月30日に開催された台湾最大級のファッションイベント「台湾スーパーガールズフェスタ(SGF)」の会場だ。約8000人の台湾人が熱狂したのは日本のファッションブランドに身を包んだ日本人の人気モデルである。
■アジアで支持を得る日本のファッション文化
 オープニングを飾ったのは「snidel(スナイデル)」という日本のブランドのファッションショー。派手な演出とともに人気モデルの藤井リナがランウェーを歩くと、いきなり会場の黄色い声は最高潮に達した。
日本の人気ブランド「snidel(スナイデル)」のステージ
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日本の人気ブランド「snidel(スナイデル)」のステージ
 佐々木希、山田優、益若つばさ……。地元台湾の人気モデルも登場する中、歓声が一段と高まるのはいずれも日本人のモデル。「MERCURYDUO(マーキュリーデュオ)」「MURUA(ムルーア)」「LOWRYS FARM(ローリーズファーム)」と、日本の若い女性であれば当然のように知っている日本ブランドをまとい、会場を沸かせていた。
 渋谷や原宿を流行の震源とする日本のガールズファッション、カワイイ文化は海を越え、その中核といえる人気ブランドのアジア進出も進む。特に台湾は多くの日本ブランドが出店しており、日本のブランドを集めたセレクトショップも盛況。カワイイ文化はすでに絶大な支持を得ている。台湾SGFの熱狂がその証拠。まさに「クールジャパン」を象徴するシーンといえる。
■拡大した「クールジャパン」
 クールジャパンとは元来、日本育ちのポップカルチャーが海外でも人気を得ている現象を指す言葉だった。秋葉原に代表されるマンガやアニメ、ゲームなどの「オタク」文化、そして渋谷・原宿に代表されるファッション文化が代表格とされていた。
 ところが2010年、民主党政権下の経産省が「クール・ジャパン室」を設置し、クールジャパンという言葉が国家戦略や政策に使われるようになって以降、様相が変わっていった。

急成長LINEは何で人気? 今さら聞けない「実像」


http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK16039_W3A510C1000000/

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「LINEゲームのダウンロード数が1億件」「スペインのユーザー数がヨーロッパ初の1000万人に到達」など、スマホ向けに文字を使った会話や無料通話の機能をSNS「LINE」の勢いが止まらない。
 2011年6月のサービス開始以来、2年弱で登録ユーザー数が1億4000万人以上(2013年4月時点)に達しており、連携するゲームや電子書籍などのサービスも相次いで始まっている。運営会社のNHN Japanは、2013年4月に社名をサービス名と同じ「LINE」に変更。社業の中心に据え置く姿勢を鮮明にした。
■友だちとのメッセージ交換が基本
 LINEは無料通話アプリとも呼ばれるが、基本は短いメッセージや「スタンプ」と呼ばれるイラスト画像で相手とコミュニケーションするSNSだ(図1)。スマホに専用アプリをインストールして利用する。「友だち」とのメッセージ交換が中心であり、その延長として無料通話などの関連機能も使える。
図1 Android(アンドロイド)向けLINEアプリの画面例。友だちごとにメッセージをやり取りする仕組みになっている。テキストのメッセージ以外にも、「スタンプ」と呼ばれるイラストや、無料で使える通話機能などでコミュニケーションできる
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図1 Android(アンドロイド)向けLINEアプリの画面例。友だちごとにメッセージをやり取りする仕組みになっている。テキストのメッセージ以外にも、「スタンプ」と呼ばれるイラストや、無料で使える通話機能などでコミュニケーションできる
 2013年3月に行われた調査によると、この年の新社会人のLINE利用率は31.5%で、最もよく利用しているSNSとして第2位だった(図2左)。トップはTwitter(ツイッター)で、第3位はFacebook(フェイスブック)。新社会人世代には、TwitterやFacebookに比肩する頻度でLINEが使われていることが分かる。
図2 新社会人の中で、SNSとしての人気はTwitterに次ぐ2位(左)。一方、利用者の年齢分布はまんべんなく広がっており、学生より会社員などの利用が多くなっている(出典:マクロミル(2013年1月))
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図2 新社会人の中で、SNSとしての人気はTwitterに次ぐ2位(左)。一方、利用者の年齢分布はまんべんなく広がっており、学生より会社員などの利用が多くなっている(出典:マクロミル(2013年1月))

Apple「iOS 7」の新UIは「ブラック、ホワイト、フラット」---米メディアの報道

米Appleがまもなく発表するとされる次期モバイルプラットフォーム「iOS 7」は「全体的にブラック、ホワイト、そしてフラット」なイメージになるらしいと、複数の米メディア(TechCrunchInformationWeekCNET News.comなど)がApple関連情報サイト「9to5Mac」の記事を引用するかたちで現地時間2013年5月24日に報じた。
 9to5Macが複数の関係者から得た情報によると、AppleのJonathan Ive工業デザイン部門上級副社長は、次期iOSにおいて複数の新機能を追加することよりも、ルック&フィールに焦点を当てている。この数カ月間、AppleはiOS 7の新たなユーザーインタフェース(UI)を何度も構築し直しており、6月10日から開催される世界開発者会議「Worldwide Developers Conference(WWDC)」では白と黒を基調にした平面的なUIエレメントが披露される見通しという。
 Ive氏は、共同設立者の故Steve Jobs氏や元iOS部門責任者のScott Forstall氏が積極的に導入した「Skeuomorphic」と呼ばれるデザインを大幅に変更しようとしている。Skeuomorphicは、実物そっくりの金属や布地といった質感や外観的特徴を模したデザインを指す。Ive氏は「実物をモチーフにしたエレメントを満載したデザインは時間の試練に耐えられない。また、既存のiOSアプリケーションは多種多様なデザインがあり、ユーザーを混乱させる」と考えているという。
 具体的には、ロック画面上部の光沢のある半透明の時間表示バーを取り除いてマットな黒を基調にすること、パスコード入力の四角い枠が白いテキストに白い境界線の黒い丸ボタンに変わることなどが噂されている。布や革のテクスチャーが採用されている通知センター画面などを、白いテキストに黒もしくは灰色の背景に変更するといった情報もある。

「ユニクロ」とパナ・シャープを分けるもの アパレルの雄が示す家電再生のヒント

「もっと携帯に便利だとか、身に着けていて疲れないだとか、暖房の費用が助かるだとか、そういう風にライフスタイルを快適なものに変えていくような“道具”を開発していきたいと考えています」
 今年4月、過去最悪の赤字に落ち込んだパナソニックやシャープなど家電メーカーの取材に奔走していた筆者は、その3カ月前に対面したファーストリテイリング、柳井正会長兼社長の言葉を思い出していた。「ヒット商品やオンリーワン商品が必要だ」「技術をテコに新しい需要を創造しないといけない」といった家電メーカーの問題意識が、低価格衣料品店「ユニクロ」のそれとオーバーラップしたからだ。
 衣料品SPA(製造小売り)の代表格であるユニクロは、上流工程にまで踏み込んだ商品開発や品質管理で知られる。「ヒートテック」や「ウルトラライトダウン」など中核となるヒット商材の有無で売上高が増減する事業特性には家電メーカーと似ている面がある。
 昨年秋に、画期的な機能性と普遍的なデザイン性を備えた「究極の普段着」の研究開発を目的に「ユニクロイノベーションプロジェクト」を立ち上げるなど、モノづくりにかける意欲も高い。中国などアジア地域での大量出店で2015年には国内と海外でユニクロの売上高を逆転させる計画といい、グローバル展開のスピード感でも引けをとらない。
 収益性や成長性といった指標で見ると、ファストリと家電各社の状況は対照的。2012年3月期にパナソニックが7721億円、ソニーが4566億円、シャープが3760億円の最終赤字を計上したのに対し、2012年8月期にファストリは連結純利益が815億円と過去最高を更新する見通しだ。時価総額も1兆8000億円で、4000億円強のシャープは言うに及ばず、1兆3000億円のパナソニックや1兆1000億円のソニーをもしのぐ。
 消費者を引き付けるモノづくりでグローバル展開を目指すという方向性は共通する。ファストリと家電メーカーの明暗を分けているものは何なのか。
ユニクロはグローバル展開も加速する。上海にも大型店を開設している
 不振の家電メーカーが海外勢との価格競争や円高といった逆風に直面しているのは事実だが、経営の差が両者の業績の違いになっている面が大きいのではないかと筆者は感じている。具体的には、経営判断のスピードと合理性を突き詰めたシンプルさの有無だ。

軌道修正できるかどうか

 判断のスピードは、経営環境が悪化した時の方向転換の素早さ、と言ってもいい。
 あるファストリ関係者は「柳井は会議で店長を叱り飛ばすこともあるけど、自分が間違ったときは素直に認めて謝りますね」と話す。同社は過去にも「スポクロ」「ファミクロ」といった新業態や、野菜事業のような新規分野に挑んでは、うまくいかないと分かればあっさりと撤退してきた。
 ここ1~2年のユニクロの商品政策を見ても、方向性を誤ったと見るや素早く軌道修正するやり方が見てとれる。ファッション性を強化したかと思えば定番品重視に転換し、逆に商品を絞りすぎたといってはトレンド品を増やすといった具合に、方針はコロコロ変わる。
 柳井会長は、「頭で考えていることはほとんど机上の空論ばかりです。だから、失敗がどこに潜んでいるのかを早くつかんで修正する必要がある。大失敗したくはないですから」と話す。
 一方の家電メーカーはどうか。
 プラズマテレビの市場性に早くから懐疑的な見方があったにもかかわらず、最新鋭工場への巨額投資をパナソニックは止めなかった。シャープは大型テレビの需要を読み誤り、台湾企業に出資を仰がねばならないほど財務を悪化させてしまった。ソニーも、8期連続で赤字を計上するテレビ事業をいまだに軌道修正できないでいるように見える。
 有望な製品に経営資源を集中する判断が間違っているとは言えない。だが、テレビ事業に対して手を打つのが遅れたことが、家電メーカーの記録的な赤字の主要因であることも確かだ。
 現実に、筆者が家電メーカーについて取材する間、「テレビ事業で全盛期を築いた一部の経営トップが長く実権を握っていたせいで、方向転換ができなかった」との指摘を何人もから耳にした。

無駄をそぎ落とす力

 次は合理性に基づくシンプルさだ。もう少し詳しく説明すると、企業が中長期的に目指す方向性を示し、実現に向けて最も合理的な手段を選ぶという意味になる。ファストリの事業運営の方法には、しばしばこうしたシンプルさを感じることがある。
 例えば、ファストリが事業戦略説明会などで使うプレゼン資料が象徴的だろう。パワーポイントの無意味な美しさに労力を割くのを嫌うという柳井会長の主義もあり、同社の資料は図版や色使いは至って簡素。その代わりに、「世界一のカジュアル企業グループになる」「アジアで圧倒的ナンバー1になる」といった目的を明確に示すフレーズが並ぶ。
 こうしたメッセージは、ことあるごとに「最終的にはグローバルプレーヤーしか生き残れない」と語る柳井会長の信念を明確に反映している。こうと決めた後のブレのなさもファストリらしさなのかもしれない。
 目標設定だけでなく、実現する手段も合理的だ。それは、同社がそもそも中間流通を省略するSPAモデルで経営効率を高めているということだけではない。

 海外での事業拡大に人材が不足していると判断すれば、大学1年生でも採用内定を出し、英語を社内公用語化し、大量の外国人を採用することも躊躇しない。自社の服を世界中のあらゆる人が着ることのできる「部品」と割り切っているために、10代の若者しか着ないような流行色の強い商品には手を出さない。
 翻って家電各社を見れば、将来のビジョンについて腰を据えて考えるよりも、まずは社内のリソースを集めて急場をしのぐ収益源を確保するので精一杯という状況ではないか。リストラを進める中で、革新的な商品の登場も減っている。
 シャープが手がける60インチ超の大型液晶テレビは、国内外ともに台数シェアが数%にすぎないニッチ市場での戦いを迫られている。背景には、需要の有無は不透明でも、ボリュームゾーンの30~40インチでは利益が出ないうえ、大阪府堺市の最新鋭工場の稼働率を上げなければならないという、消極的な事情がある。
 パナソニックは、自社の製品やサービスを顧客にトータルに提供する「まるごと戦略」を打ち出している。しかしこれに対しても、「メーカー視点のネーミングで、顧客にどんなメリットがあるか伝わらない。利用者はどのメーカーの製品であろうが気にしない。良さが伝わらなければ意味がない」(電機OB)との声が上がる。
 「社内の意思決定は何につけても役員全員の印鑑が必要」、「会長と社長がメディアでの発言を巡って言い争っている」(大手家電メーカー関係者)と言った指摘も聞かれる。巨大組織ゆえの非効率さといえばそれまでかもしれないが、現状に甘んじる余裕はないはずだ。

アップルに近いのはユニクロ

 「ファストリがアップルと提携したら面白いんですけどね。だって、『ユニクロ』ってアップルっぽくないですか?」――。今春、外資系証券の小売りアナリストに、ファストリが海外のどんな企業と手を組んだらメリットがあるかについて尋ねると、こんな意見が返ってきた。
 海外展開がようやく離陸した段階の日本のアパレル企業と、世界を舞台に戦う家電メーカーを比較して考えたことはなかったため、一瞬面食らった。しかし、商品の価値を高めるためにはあらゆるしがらみを排するというシンプルな発想や、狙いを定める市場の大きさという意味では似ている面もあり、納得感もあった。東京・銀座の目抜き通りに並ぶ両社の巨大な店舗を見比べると、目指しているブランドイメージも意外と近いのかも知れないと感じる。
 アップルの提携相手としてユニクロの方がしっくりくるほど日本の家電大手の存在感が薄れているわけだ。家電メーカーは、この事実を受け止める必要がある。

ファンドvsソニー 平井6人衆、迫られる神経戦

ファンドvsソニー 平井6人衆、迫られる神経戦


http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK24041_U3A520C1000000/

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また1つ、ソニーへの脅威が現れた。韓国サムスン電子、米アップルに続く新手のライバルではない。相手は米国で「物言う株主」として知られる投資ファンドのサード・ポイント。ソニーは事実上のグループ解体を提案された。社長の平井一夫、ソニーで「6人衆」と呼ばれる経営陣が未知の神経戦を迫られている。
■「スパイダーマン」礼賛
 5月14日午後1時過ぎ。ソニー本社(東京・港)に外国人ビジネスマンの一団が訪れた。サード・ポイントの最高経営責任者(CEO)、ダニエル・ローブが率いる一行だった。関係者によると、ローブは最初に通された専用ショールームで息をのんだ。
 「とにかく素晴らしい」
 目の前には、映画「スパイダーマン」のコスチュームが飾られていた。スパイダーマンは、ソニー傘下の米映画大手ソニー・ピクチャーズエンタテインメント(SPE)が制作する人気作品。周囲の目には、ローブは人気キャラクターが大好きな子供のように映った。
 実は、ローブの大叔母は「バービー人形」の生みの親として知られている。ある関係者は、「その影響だろうか、子供から大人まで楽しめるエンターテインメントやブランドなどにローブは強い興味を持っている」と話す。投資家としての嗅覚か、それとも、個人的な興味なのか。ローブはショールーム内の展示物をぐるりと見渡すと、「やっぱり、ソニーのエンタメ部門の資産は豊か。それなのに埋もれっぱなしだ」とうなったという。
 20階の役員応接室で待っていたソニー側の相手は、平井と最高財務責任者(CFO)の加藤優。ローブは面会するなり、迷いなく、切り出した。
 「映画、音楽のエンタメ事業を分離して上場すべきです。今のソニーは珠玉のエンタメ事業が不振のエレクトロニクス事業の陰に隠れてしまっている。エンタメ事業の価値を最大化するために、パートナーになりたいのです」
■動かなかった両輪
 ローブが目をつけたソニーのエンタメ部門の歴史は1968年のCBS・ソニー設立が始まり。88年には米CBSのレコード部門、その翌年にはハリウッドの名門である米コロンビア映画を買収、世界有数のエンタメ企業の顔を持った。共同創業者の盛田昭夫が会長、大賀典雄が社長をつとめていたころだった。以降、歴代トップは業績の浮き沈みが激しいエンタメ事業の経営に苦労しながらも、「ハードとソフト(エンタメ)はクルマの両輪」と語り、手放すことはなかった。

2013年5月23日木曜日

Tumblr買収の11億ドルを、ヤフーはどう回収するのか




ヤフーが、ブログサーヴィスのTumblrを11億ドルで買収すると発表した(日本語版記事)。ヤフーはこの大型買収に投じた資金をどう回収しようとしているのだろうか。いくつかの可能性を挙げてみたい。

「Radar」部分への広告掲載を増やす

「Radar」はTumblrのダッシュボード画面右側のスペースで、運営側の選ぶオススメ投稿が表示される。Tumblrによれば、このスペースのインプレッションは一日あたり1億2,000万回を超えているという。第三者によるリポートでは、このスペースへの広告出稿料金は1,000インプレッションあたり4ドル16セントとされており、Tumblrがこのスペースをすべて広告表示に使うことができれば、ヤフーの懐には年間最大で1億8,250万ドルの売上が転がり込むことになる。なお、グーグルやNBCなどで重役を務めたジョン・サロフの見積りでは、ヤフーはTumblr買収の費用を回収するために年間1億800万ドルの売上を上げればいいという。つまり、広告在庫の60%が実際に販売できれば、ヤフーは十分もとが取れる計算になる。

トップブロガーに広告枠を提供するよう説得する

Tumblrのサーヴィスは、米国内からのものだけでも年間790億PVを集めている。つまり、米国ユーザーの全ブログに広告を掲載し、1000インプレッションあたり1ドル37セントの料金で広告を販売すれば、前述の年間1億800万ドルを稼ぐことができる。しかし、同サーヴィスのユーザーの多くは広告掲載を嫌がることが予想され、同社のデイヴィッド・カープCEO自身も、2010年に広告への嫌悪感を表明していた(後に撤回したが)。また、Tumblrにはヤフーが広告掲載を認めていないポルノなどのコンテンツも多い。同社が一部のトップブロガーと広告主をつなぎ、彼らにプレミアム広告を出してもらうことができれば、一般ユーザーの感情を害することなく収入につなげることができるだろう。

スモールビジネスや個人ユーザー向けの広告商品の数を増やす

Tumblrには、スモールビジネスや個人ユーザーが利用できる広告オプションもある。具体的には、2ドルを支払うことで自分の投稿がフォロワーのダッシュボード上で目立つようステッカーをつけるハイライトオプションや、5ドルでフォロワーのダッシュボードのトップに表示するオプションなどだ。ここから1億800万ドルを稼ぎ出すには、こういった広告オプションを毎年約3,100万件(各オプションを半分ずつで計算)販売すればよい。

上記の3つの手段を組み合わせる

当然ながら、ヤフーは前述の可能性の1つだけに絞って収益をあげるつもりではないだろう。これらを併用し、さらに新たな収入源(たとえば動画広告など)を組み合わせることになると見られる。

Tumblrが膨大なユーザー数を誇ることや、ヤフーにさまざまな広告オプションがあることを踏まえれば、今回の買収を効果的に利用することは難しくないはずだ。重要なのは、Tumblrが今後サーヴィスを改良していくなか、ユーザー離れをどの程度食い止めることができるかだ。

Google、ペンギンアップデート2.0を適用 - Webスパム対策を強化

Googleは5月22日(現地時間)、同社の検索アルゴリズムへのアップデートとして、ペンギンアップデート2.0(Penguin 2.0)の適用を実施した。同社のMatt Cutts氏が明らかにした。
ペンギンアルゴリズムは、2012年4月に導入されたもの。スパム的なリンクビルディングやリンクバイイングといった影響を排除することを目的としており、今回の適用では、米国(英語)での検索クエリにおいて2~3%程度の目に見える影響があるだろうとしている。
ペンギンアップデートは各言語での適用も完了しており、その言語での検索クエリへの影響は、その言語でのWebスパムの量によって異なるという。
ペンギンアルゴリスではこれまで4回の適用が行われているが、今回はデータリフレッシュではなく、アルゴリズム自体のアップデート。

世界的に導入が進む「ソーシャルリスニング」、その実態と有用性を探る

ソーシャルメディアは、個人にとどまらず、企業のマーケティング戦略にとって重要なツールとして活用されてきている。
 Facebook や Twitter を通じて、企業が消費者に向けて情報発信をすることは、もはや当たり前の手法となり、最近ではビッグデータなどの話題にも注目が集まっている。
 こうした中で、注目されているのが、「ソーシャルリスニング」というマーケティング手法だ。ソーシャルメディア上で、どのような情報が発信されているかを調べることによって、社会の現在の姿を知ることができ、企業のマーケティング戦略にとって重要な情報ソースとして活用することができるのだ。その実態について、トレンド総研がまとめたレポートを元に紹介する。

会社員のソーシャルアカウント所有率は75% 1位は Facebook

会社員の過半数以上が週に1回以上 SNS を閲覧
 レポートではまず、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の利用について、会社員500名を対象にした調査をまとめている。
 会社員たちの SNS の利用状況(アカウントの所有状況)については、「Facebook」が51%と最も高く、以下「mixi」が50%、「Twitter」が43%という状況になっている。また、1つでも SNS のアカウントを持っているという人は、全体の74%に上ります。
 さらに、1週間に1度はこれらの SNS を閲覧しているというアクティブなユーザーがどれだけいるのかを調べたところ、SNS アカウント所有者の75%、全体の55%が、いずれかの SNS に対して、「1週間に1回以上閲覧している」と回答。25歳~39歳の会社員の内、2人に1人は、少なくとも1週間に1回以上は SNS を閲覧していることが分かった。

「SNS を仕事で活かしている」は約3割にとどまる

仕事中に SNS を閲覧する人は、約7割
 それでは、会社員にとって、SNS はどういった役割を持っているのだろうか。中でも、仕事に SNS を役立てているという人は、どれほどいるのだろうか。
 「SNSを1週間1回以上利用している」と答えた人を対象に調査を行ったところでは、「仕事中に、これらの SNS を閲覧することがありますか?」という質問に69%が「ある」と回答。一方で、「SNS上の情報が仕事に活かされた経験がある」という人は28%と、およそ3割となっている。
 具体的に、どのように仕事に活かすことができたのかについては、「自社の商品に関するお客様の声を聞くことができた。(クリエイティブ系・31歳女性)」「ソーシャルメディアを活用してイベントの告知をしている。(企画系・28歳男性)」といった意見が多く、情報収集や情報発信に、SNS を活かすという人が多いようだ。
 また、「次の仕事につながる関係ができた。(営業系・33歳男性)」「IT技術のグループを立ち上げ、ディスカッションを行った。(技術系・27歳男性)」などの社外の人との人脈構築に関する意見や、「職場のコミュニケーションがとりやすくなった。(事務系・37歳男性)」といった社内コミュニケーションの円滑化に関する意見も。SNS が仕事に活かされる場面は多岐に渡るようだ。
 とはいえ、仕事中に SNS を利用している人がおよそ7割に上るのに対して、SNS を仕事に活かせているという人はおよそ3割。レポートでは、「情報収集・発信から社内外の人間関係の構築・円滑化と、SNS が活躍する場面は様々で、かつ、多くの人にとって必要な内容であることを考えると、今後、仕事において SNS を活かしたいという人は、増加していくのではないかと予測される」としている。

ソーシャルリスニングはマーケティング戦略に不可欠な存在に

 この調査結果では、SNS を日常的に利用している会社員のおよそ3割が、情報収集・発信を中心とする幅広い用途で、仕事に SNS を上手く活用しているものの、大部分の人が SNS を仕事に活かしきれていないということがわかった。
 こうした現状の理由としては、ソーシャルメディア上の情報はその量が膨大で、必要な情報は散在しており、ソーシャルメディア上の情報を上手に活用するには、情報収集から選定、分析と、ソーシャルメディアリテラシーをはじめとする、高いスキルが要求されるというソーシャルメディア上の情報の特性が考えられる。そこで、注目すべきマーケティング手法が、「ソーシャルリスニング」だ。ソーシャルメディア上の情報を分析することにより、現在のトレンドを把握したり、将来的な流行を予測したりすることを指すソーシャルリスニングは、戦略策定や意思決定、リスクマネジメントと、幅広く活用することが可能となる。
 そして近年、このソーシャルリスニングの仕組みをシステム化して誰でも簡単に行うことができるようになるサービスの提供が広がりつつある。そのひとつである「Salesforce Marketing Cloud」を全世界で3,000社以上に提供している株式会社セールスフォース・ドットコムブランドマネージャーの加藤希尊氏は、「クラウドサービスの導入などにより、上手にシステム化しなければ、本当に効果的なソーシャルリスニングを行なうことは困難だ」と指摘する。
 加藤氏によると、ソーシャルリスニングのシステムを導入することにより、マーケティング、営業、カスタマーサポートなど、企業活動における幅広い領域において、ソーシャルリスニングはその役割を果たすことが可能となるという。例えば、「ブランドモニタリング」という手法では、自社のブランドや競合するブランドが、ソーシャルメディア上で、誰に、どのような時、どんな文脈で語られているのかという情報を集める。その情報を分析することで、自社ブランドのアピールポイントや改善すべき点が分かるのだ。
 世界的にソーシャルリスニングは多くの企業に導入が進んでおり、加藤氏によると米国フォーチュン誌が選定する、総収入額が大きい企業ランキング「フォーチュン500」に選出された企業の過半数を占める55%が「Salesforce Marketing Cloud」を導入しているという。しかし一方で、日本での導入率は決して高いとは言えないとのこと。加藤氏は、「多くの企業では、ソーシャルリスニングの重要性や有効性にまだ気付いていない。今後、ソーシャルリスニングに関する注目が高まり認知が拡大すれば、日本でもソーシャルリスニングを取り入れる企業が急速に拡大していくだろう」と語っている。なお、セールスフォース・ドットコムでは5月28日にカンファレンスイベント「Customer Company Tour」を東京都内で予定しており、企業のソーシャルメディア活用に関してもセッションを予定しているという。

ジャーナリスト津田大介氏が語る「ソーシャルリスニング」の有用性

 加藤氏が指摘するように、日本における「ソーシャルリスニング」の認知や普及はこれからという状況。日本における SNS を取り巻く状況は今後どのように変化していくのだろうか。ジャーナリストの津田大介氏は、日米のソーシャルメディアの違いを挙げ、日本における「ソーシャルリスニング」の有用性を指摘する。
 津田氏によると、日米におけるソーシャルメディアの違いには、発信できる情報量の差があげられるという。例えば、“情報”というワードをとりあげると、日本語では“情報”で2文字。一方、英語では“information”で11文字。同じ文字数で比較すれば、日本語の情報量は英語の3倍程度になり、文字数制限のある Twitter では英語圏の国々よりも多くの情報が流通していることになるのだ。
 また、日本人は自身の知っている情報をシェアするのが、アメリカ人は自分のことをアップするのが、好きな傾向にあるという。例えば、アメリカでは自分の写真をシェアするのが好きな傾向にあるが、日本では行った場所や見たもの、体験したことなど、ソーシャルグラフで繋がる友人にとって有益な情報をシェアするのだ。
 「流通する情報量は多く、他人にとって有益な情報がやり取りされている日本のソーシャルメディア。こうした特徴を考慮すれば、日本におけるソーシャルリスニングの有効性は明らかだと言えるだろう」(津田氏)。
 また津田氏は、「ソーシャルリスニングの有効性については、現在の Twitter を見れば明らか」とも指摘する。津田氏によると、インターネットの普及によって消費者の購買行動におけるクチコミの重要性は大きく高まっているが、多くの消費者にとって Twitter の検索は、すでに最も効率的なクチコミ検索ツールとなっているという。「消費者が参考にする情報なのだから、企業がその情報を収集しない手はない」(津田氏)。
 ただ、ソーシャルリスニングを行なう際には、気をつけなければならない点もあるという。「ソーシャルメディア上には、ノイズも多く、悪意を持ったネガティブな動きがある可能性もあり、その際には冷静に対応することが必要だ。単純にどんな情報があるかという点だけでなく、プロフィールやタイムライン、フォロワー数から、その人の属性を分析することが重要。そうすることで、本当に重要な情報を効率的にピックアップすることができるだろう」(津田氏)。(インターネットコム)
(2013年5月23日  読売新聞)

2013年5月17日金曜日

AndroidとChromeの今後:Android新責任者インタヴュー(WIRED.jp)

以前はGoogle Chromeの責任者を務め、現在はAndroid部門を統括するスンダル・ピチャイ。
 2004年にグーグルに入社したスンダル・ピチャイは、同社のChrome部門責任者として、毎年グーグルが開発者向けに開く「Google I/O」カンファレンスのステージに立ってきた。一方同社には、I/Oカンファレンスで影の主役とされてきたアンディ・ルービンのAndroid部門もあり、同OSが世界一のモバイルOSに成長するなか、ChromeとAndroidという2つのOSを持つグーグルの戦略に対し疑問の声も上がっていたこともあった。
 しかしグーグルは今年3月、ルービン氏の退任(日本語版記事)と、Android部門の新責任者としてピチャイ氏を任命したことを発表した。これによりピチャイ氏は、ラリー・ページCEOを中心とした同社の中核グループ(いわゆる「Lチーム」)の一員として、Chrome部門とAndroid部門の両方の責任者になった。そんなピチャイ氏に対してWIREDが行ったインタヴューのなかから、いくつかのQ&Aを抜粋して紹介する。
──Android部門のトップ交代の発表は突然のことで、われわれ外部の人間には謎めいたものにも感じられたのですが、あれは計画的に進められていたことなのですか?
 わたしがアンディ退任の決断を知ったのは、この人事プロセスが最終段階にあった頃でした。実際、退任が決まったのは発表の数週間前で、あっという間に物事が進んだという感じです。コンピューティングに情熱を感じているわたしにとって、Androidほどの規模で影響を発揮できるいまの立場は、とてもエキサイティングなものです。
──Androidの責任者になってみて、ChromeとAndroidの共存をめぐる視点に変化はありましたか?
 自分の見方が変わったとは思いません。AndroidとChromeは、ともに大規模かつオープンなプラットフォームで、急速に発達しています。両OSは今後も存在するだけではなく、それぞれが重要な役割を果たすと考えています。わたしは両OSの関係を、友好的なイノヴェイションの一部であり、ユーザーと開発者に選択肢を与えるものとも考えています。
──2つのOSが存在することで、混乱を招くことにはなりませんか?
 ユーザーが気にするのはOSではなく、利用するアプリケーションやサーヴィスです。たとえば「MacBookとiPhoneやiPadでOSが異なるのはどうしてなのか」といった疑問を抱く人はほとんどいません。ユーザーにとってアップルといえば、iTunesやiCloud、iPhotoのことを指します。また、アプリ開発者は一度作成した製品が複数のプラットフォームに対応することを望むと同時に、選択肢も求めています。わたしは新しい立場において、2つのOSの存在を心配せず、ユーザーと開発者にとって自分が正しいと思うことを試すことができます。そして、そのことに大きなやりがいを感じています。われわれは今後も両OSの開発を進め、投資を続けていくつもりです。そのため短期的には何も変わりません。いっぽう長期的には、コンピューティング自体が変化をもたらすことになるでしょう。われわれはいま、重要な局面にあります。人々が日常的に複数の端末を利用するようになっており、安価な端末やさまざまなセンサーを搭載する端末も増えている。グーグルでは、さまざまな端末の画面上でシームレスかつ美しく、直感的に情報をまとめることがどうすれば可能かということを考えています。われわれのヴィジョンは今後1、2年のうちに変わる可能性もありますが、今のところはAndroidとChromeの両方を維持していくつもりで、方向転換することもないでしょう。
──それでも、2つのOSの開発を進めるということには膨大なリソースが必要です。これはあなたにとっての課題になるのではないでしょうか?
 確かにそうですね。われわれは開発の各段階でユーザーと開発者にとって正しいことをしたいと考えています。そこで、2つのOSに共通性を見出そうとしています。たとえば、ブラウザについては両部門で多くの事柄を共有しています。こういった動きは今後も進めていく予定で、その過程で、さらなるシナジーをもたらすソリューションもあるかもしれません。
──Android部門の新たな責任者として、何がもっとも大きな挑戦だと思いますか?
 まず、Androidの可能性について話したいと思います。Androidに関わる仕事の規模や範囲は、これまでにわたしが携わってきた仕事のそれに比べて、はるかに大きなものです。また、Androidには(スマートフォンやタブレットの新規販売台数の点で)息を飲むような勢いがあります。そして、わたしはそこに巨大な機会があると考えています。まだコンピューターを利用できない人々が世界中にたくさん残されているからです。エリック(グーグルのエリック・シュミット会長)は最近出版した著書のなかで「次の50億人」(これから初めてコンピューターを手にする人々)について語っていますが、実際に彼の言うとおりで、わたしはそのことにわくわくしています。Androidのようなオープンなシステムが素晴らしいのは、あらゆる層の人々が使う端末に利用できる点にあります。発展途上国に廉価なコンピューター端末をもたらすことは、わたしにとって特に意義深いことです。
──フェイスブックがFacebook Homeのようなものを発表したことについてはどうですか。
 フェイスブックが真っ先にAndroidを選んだのは素晴らしいことです。Androidはもともとかなりカスタマイズしやすいように設計されていました。また、われわれはイノヴェイションを大いに歓迎します。特定の製品について何らかの結果が判明するまでには時間がかかる、というのがわたしの意見です。マーク(ザッカーバーグ)は、あらゆる物事の中心に人がいるという見方をしており、わたしの見方とはわずかに違います。つまり、人生は多面的であり、人間(関係)はそのなかでとても大きな部分を占めているけれども、それがすべての中心にあるというわけではない、というのがわたしの考えです。
※この翻訳は抄訳です。
TEXT BY STEVEN LEVY
PHOTO BY ARIEL ZAMBELICH/WIRED
TRANSLATION BY WATARU NAKAMURA

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