2013年10月31日木曜日

Androidスマートフォンの最新トレンド 初心者はキャリアサービスに注目!

http://www.asahi.com/and_M/interest/bcnnews/BCN201310310002.html


キャリア(通信事業者)各社によるAndroid搭載スマートフォンの2013~14年冬春モデルの発表が終わり、いよいよ今秋から来春にかけて発売になる。「G2」や「GALAXY Note 3」「Xperia Z1」など、一部機種はすでに発売済み。おサイフケータイを利用している人や、他人とは違うデザインの機種を持ちたい人は、大きな画面で操作しやすく、従来の携帯電話のトレンドを汲みながら独自に進化したAndroidスマートフォンに注目しよう。
●大画面化が進む フラッグシップモデルの一部は5.2インチ以上に
 アップルは、9月発売の最新機種「iPhone 5s」でも画面サイズを変更せず、「iPhone 4S/4」と同じ横幅の4.0インチにこだわった。一方、さまざまなメーカーが手がけるAndroid搭載スマートフォンは、ここ1~2年の間に大画面化が進み、いまや4.5インチでもコンパクトモデルの扱いだ。
 2013年夏以降、フラッグシップモデルは、高速のクアッドコアCPU、有効1300~1600万画素程度のカメラ、32GBまたは64GBの大容量メモリ、4.8~5.0インチのフルHDディスプレイを搭載し、カメラの性能や機能、画像処理エンジンなどに独自の工夫を施している。また、独自のホーム画面やUI(ユーザーインターフェース)、オリジナルアプリなどを搭載する。
 最新の2013~14年冬春モデル(auは2013年冬モデル)では、3キャリアから約5.2インチのフルHDディスプレイ搭載機種が登場。有効約2070万画素カメラを搭載した「Xperia Z1」や、スマートフォンとタブレットの間を埋める「ファブレット」として、約5.7インチのフルHDディスプレイを搭載し、付属のペンで操作するスタイルの「GALAXY Note 3」にも注目が集まっている。売れ行きや評判によっては、さらなる大画面化やカメラの高画素化が進むかもしれない。ちなみに、ディスプレイ周辺のデザイン・設計が異なるので、5.2インチなら、ワンサイズの下の5インチと横幅はほとんど変わらない。
 家電量販店の実売データを集計した「BCNランキング」のデータをもとに、Android搭載スマートフォンに限った画面サイズ帯別販売台数構成比を集計すると、2013年9月は、「4インチ台後半」が51.9%を占め最も多く、次いで「5インチ以上」が29.0%を占めた。月単位ではなく、3か月間の累計(四半期)ごとに集計すると、販売台数の多い画面サイズの変遷がより鮮明になり、「Xperia Z SO-02E」の発売をきっかけに、2013年第1四半期(1月~3月)から「5インチ以上」の構成比が急激に拡大しているのがわかる。
 iPhoneではなく、Androidを選ぶ理由として、防水やおサイフケータイ、ワンセグ、赤外線通信など、日本の携帯電話ならではの機能と並んで、大画面による見やすさ、操作のしやすさを挙げる人は多い。さらに、場合によってはキャリア独自のコンテンツサービスをより早く、より便利に利用できるというメリットもある。
●独自のコンテンツサービスに力を入れるキャリア ターゲットは”初心者”
 もともとパソコンでオンラインショッピングや動画配信、クラウドサービスなどを利用していた人は、スマートフォンでもそれらを積極的に利用するだろう。しかし、スマートフォンで初めて本格的にインターネットを利用する人にとっては、それらは敷居が高く、いざ始めようとすると、難しく感じるかもしれない。各キャリアは、そうしたスマートフォン初心者(ネット初心者)に向けて、さまざまな独自のコンテンツサービスを提供している。
 「マルチデバイス・マルチネットワーク・マルチユース」の「3M戦略」を掲げるKDDI(au)は、「アプリ取り放題」を中心にクーポン、バックアップなどのサービスをまとめて提供する「auスマートパス」のほか、「ビデオパス」「うたパス」「ブックパス」を展開。他キャリアに先駆けて開始した定額制のサービス「auスマートパス」(月額390円)は、総合的に判断するとおトク度はかなり高い。会員数は800万を突破。10月24日からは「ラッキー」をコンセプトに、リアルと結びついた新たな特典を増やすなど、さらにサービスを拡充している。
 これに対して、ドコモのスマートフォン向けコンテンツサービス「スゴ得コンテンツ」(月額399円、3サービスをまとめた「おすすめパック」は525円)は、「auスマートパス」に比べるとコンテンツ数や内容面で見劣りの感は否めない。ただし、映像配信の「dビデオ」など、他のサービスでは負けてはいない。
 ドコモは、2013~14年冬春モデルの発表に合わせて、「ネットワークフリー、デバイスフリー、OSフリー、キャリアフリー」の四つの「フリー」を打ち出した。「docomo ID」認証の本格導入後、「docomo ID」があれば、キャリアやデバイスを問わず、「dビデオ」や「dミュージック」「dショッピング」など、「dマーケット」の各サービスを、2014年3月までに順次利用できるようにする計画という。自社ユーザー限定の「クローズ」なサービスとして提供するKDDIに対して、誰でも使えるよう、オープン化に舵を切ったドコモ。どちらがビジネスとして成功を収めるのか、今後に注目したい。
●「auスマートパス」をより便利に使えるLGの「isai」 デザインにもこだわり
 独自のコンテンツサービスに力を入れるキャリアの試みの一例として、約5.2インチのフルHD対応IPS液晶ディスプレイを搭載したauのハイスペックスマートフォン「isai LGL22」を取り上げたい。
 「isai LGL22」は、「使いこなす」にこだわって、LGエレクトロニクスとKDDIが共同開発したオリジナルスマートフォン。世界で高いシェアをもつLGとKDDIのコラボレーションは今回が初めてで、発売は11月下旬の予定だ。ホーム画面を縦横にフリックするだけで、各アプリを個別に起動することなく、ニュースやトレンド情報、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などの最新情報が得られる「isaiスクリーン」、「auスマートパス」のサイトの重要なタイムライン情報をシステムバーの通知アイコンで知らせる「お知らせ機能」など、共同開発ならではの連携機能が光る。デザインにもこだわり、ディスプレイ以外のよぶんな要素を排除した狭額縁デザインは、3辺狭額縁設計の「AQUOS PHONE Xx SoftBank 302SH」に比べるとややインパクトは欠けるが、ブルー系を中心とした4色のカラーバリーエーションは、日本語の「異才」や「異彩」という意味を込めたと思われる「isai」の名の通り、店頭で目を引きそうだ。
 最新技術・トレンドを積極的に取り入れるために、これまでのAndroidスマートフォンはスペックが横並びになりがちだった。また、複数のキャリアから同一機種や兄弟機種が販売されるパターンが増え、端末だけでは独自性を打ち出しにくくなっている。だからこそ、他キャリアとの差異化のポイントとして、auの「○○パス」、ドコモの「dマーケット」のようなキャリア独自のコンテンツサービスが浮上したのだろう。ドコモとソフトバンクモバイルは、健康支援・ヘルスケアサービスも提供している。iPhoneにはないAndroidの自由度を生かし、「isai」のように端末とキャリア独自のサービスを連携させたオリジナルモデルや、シニア向けスマートフォンなど、ターゲットに合わせて機能を絞ったコンセプトモデルが増えるかもしれない。(BCN・嵯峨野 芙美)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。

2013年10月29日火曜日

Facebookユーザーのニューズ接触、その後の行動で日米に隔たり

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20131027/513982/?ST=social


 今回は、先日米国の調査機関であるPew Research Centerが、John S. and James L. Knight Foundationと協力して発表した調査結果に触れてみる。調査結果はFacebookユーザーのニュースに対する接触と、その傾向についてまとめたもので、「The Role of News on Facebook(Facebookにおけるニュースの役割)」というタイトルで紹介している。
 この調査は、米国内5173人(うちFacebookユーザーは3268人)に対して、2013年8月下旬から9月上旬にかけて実施した。サンプル数5173を基に考えると、「米国成人の64%はFacebookのユーザーであり、その約半数(つまり米国成人の約30%)は、Facebookを経て何らかの形でニュースを知る」ことになるらしい。
 ただしFacebookからニュースを知るユーザーの約80%は、そもそもニュースを得ようとしてFacebookにログインしているわけではない。例えば友人の近況を確認するなど別の目的でFacebookを利用する際に、偶然ニュースを目にする傾向にあるようだ。
 特にこの傾向は、18歳から29歳にかけてのいわゆる若年層に比較的多く見られるようで、Facebook経由でニュースを知るユーザーの約30%を占めている。さらにこの年齢層に限らずFacebookユーザーの大半は、ニュースの情報源を気にすることはなく自分の興味あるニュースを得ると回答している。
 こういったユーザーにとってのニュースの情報元は、多くが4大ネットワークを中心としたテレビとなっており、全体の約半数近くを占めている。一方でケーブルテレビなどのニュース専門局、または新聞が情報元となっていると回答したユーザーは、それぞれFacebookユーザー全体の約20%と少ない。これは前回触れたように、ユーザーがテレビ視聴をしながら「セカンド・スクリーン」としてFacebookなどのSNSを利用しているという側面も大きい。
 番組内で関連サイトを積極的に紹介したり、特定のイベントに関するハッシュタグを告知するなどして、テレビ番組自体が積極的にSNSを含むインターネット上での参加を呼びかけるケースや、CMでも自社のFacebookページやTwitterアカウントを積極的に告知しているケースが増えているためだ。加えてメディアやジャーナリストなどの公式アカウントをフォローしているユーザーも多く見られ、これらが主だった情報元として活用されているようだ。


 Facebookユーザーが接するニュースの種別では、70%以上がエンターテインメント系となっており、以下は自分たちのコミュニティのイベント、スポーツと続く。政治関連のニュースの数字は低く55%程度となる。そして全体の傾向として、速報的なニュースに触れる(あるいは求める)ユーザーは全体の3割弱と、むしろ低い数字となっているようだ。
 ニュースに対するFacebookユーザーのアクションに関しても、面白い傾向が見られる。Facebook上でニュースに接触するユーザーのうち、ニュースに関連してユーザー自身のコメントや意見などを述べる割合は、全体の3分の1程度しか見られない。同調査の中でも、こうした行動を取るユーザーは少数派に位置付けられているようだ。
 さらに友人や家族がニュースに対してFacebookに述べたコメントや意見に驚いたと回答したユーザーは、約60%に上っている。筆者もFacebookを見ていて覚えがあるが、米国のユーザー同士ではFacebook上で何らかのニュースに対して誰かがコメントや意見を述べ、そこから会話や議論などが発生し広がっていくケースは非常にまれである。ニュースに関連したコミュニケーションよりも世間話の方が圧倒的に多いし、そもそもニュースよりはむしろゴシップ的なコンテンツの方がよく見受けられる。
 この傾向は、日本のユーザーとは異なるようだ。ニュースをきっかけに会話などが広がる傾向は、米国よりも日本のほうが多く見られる。こういった点を踏まえた上で、自分たちのコミュニケーション戦略でFacebookをどのように活用していくかを、再考した方が良いケースもあるだろう。
熊村 剛輔(くまむら ごうすけ)
アドビシステムズ ソリューションコンサルタント
熊村 剛輔(くまむら ごうすけ)1974年生まれ。プロミュージシャンからエンジニア、プロダクトマネージャー、オンライン媒体編集長などを経て、マイクロソフトに入社。企業サイト運営とソーシャルメディアマーケティング戦略をリードする。その後広報代理店のリードデジタルストラテジストおよびアパレルブランドにおいて日本・韓国のデジタルマーケティングを統括。2013年4月から現職。

テレビの位置付けに再考を迫る「セカンド・スクリーン」

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20131021/512305/


 オリンピックをはじめとした大規模スポーツイベントのほか、「あまちゃん」や「半沢直樹」といった人気ドラマなどで、テレビ視聴とソーシャルメディアの相関性が取り沙汰されることが増加してきた。いわゆる「ソーシャル視聴」と呼ばれるものである。
 この傾向は日本に限った話ではなく、海外でも強まっている。2013年6月に米ニールセンが発表した調査結果によると、米国では約半数のタブレット/スマートフォンのユーザーが、テレビを視聴する際に、これらデバイスを「セカンド・スクリーン」として使っているという。
 毎日ではなく、週に複数回、「セカンド・スクリーン」使ってテレビを視聴しているのは、タブレット/スマートフォンのユーザー全体の約3分の2に上るようだ。
 彼らの多くは、テレビ視聴中にタブレットやスマートフォンを「一般的な情報を調べ」たり「Webサーフィン」したりする目的に使うだけでなく、「SNSの利用」や「(ドラマなどの)あらすじ、俳優やスポーツ選手、あるいはチームに関する情報の検索」やなどに使っていることも多い。しかも「セカンド・スクリーン」を使ってテレビを視聴しているユーザーの5人に1人は、「番組内で宣伝されている製品やサービスを購入する」と回答していた。
 こういった点を見ると、テレビ視聴中のユーザーに対するデジタル上でのコミュニケーション活動というものも、しっかり考えなくてはならなくなっているといえる。
 実際に、「セカンド・スクリーン」でテレビを視聴するユーザーへのコミュニケーションについて試行錯誤を始めている企業は少なくない。例えばあるスポーツブランドが、自社と契約しているプロスポーツ選手が出場する試合の中継で、その選手を応援するメッセージをハッシュタグ付きのツイートで集めるのは、その最たる例だ。こういった取り組みは、(測定されたツイート数などを集計した結果によって)一定の効果を上げていると評価されている。


 ある企業では、自分たちがスポンサーとなっている番組の中で、コンテンツとソーシャルメディア上での取り組みをタイアップさせるている。具体的には視聴者からハッシュタグ付きのツイートを募り、そのツイートの数に応じて、寄付を行うという試みがある。このタイアップも、(寄付金額によってわかるが)やはり一定の成功を収めているようだ。
 特にソーシャルメディアを連携させた取り組みが多く見られるのは、スポーツ番組であるといわれている。視聴者が録画ではなくライブで視聴する番組はスポーツそしてニュースが多いという調査結果もあって、「ライブ」、「セカンド・スクリーン」、「ソーシャル」といった要素を上手くつなげやすいと考えられているようだ。
 Motorola Mobilityが2012年12月に、世界17カ国の約9500人のインターネットユーザーを調査した結果によると、「テレビ番組の視聴中にソーシャルメディア上で、その番組に関する会話を追っている」と回答したユーザーが、16歳から24歳で60%。25歳から34歳で55%に上ったという。65歳以上でも、25%以上となっていた。男女比では、男性よりも女性の方が、そう回答している割合が高いという。
 今では、「ライブ」、「セカンド・スクリーン」そして「ソーシャル」といった要素を絡めた取り組みのため最も有効なプラットフォームとして、ツイッターが評価されている。これらの取り組みをドライブしてきた企業の担当者やCMOクラスの人間たちは、実際にはまだ手探りの状況にあるものの、ツイッターのポテンシャルを高く買っているらしい。
 このような試みが数多く展開され、一定の成功が見られるようになったときに、企業にとってのテレビの位置付けは大きく変わってくるだろう。もう既に、その位置づけを再考する動きは始まっているといっていいかもしれない。
熊村 剛輔(くまむら ごうすけ)
デジタル ストラテジスト
熊村 剛輔(くまむら ごうすけ)1974年生まれ。プロミュージシャンからエンジニア、プロダクトマネージャー、オンライン媒体編集長などを経て、マイクロソフトに入社。企業サイト運営とソーシャルメディアマーケティング戦略をリードする。その後広報代理店のリードデジタルストラテジストおよびアパレルブランドにおいて日本・韓国のデジタルマーケティングを統括。現在に至る。

2013年10月25日金曜日

軽量薄型iPad AirとRetina搭載iPad mini、気になる最新レビュー


http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20131025/513602/?ml

米Appleは現地時間2013年10月22日(日本では23日未明)、9.7インチタブレット端末「iPad Air」と、7.9インチタブレット端末「iPad mini with Retina display(以下、iPad mini Retina)」を発表した。
 iPad Airは、現行のiPad(第4世代)のディスプレイサイズはそのままに、横幅を約16mmスリム化した“軽量薄型”の新モデル。寸法は240×169.5×7.5mmで、重量も現行モデルに比べて28%ほど軽い469gを実現している。
 iPad mini Retinaはその名の通り、「Retina」ディスプレイを採用したiPad miniの新モデル。ディスプレイのピクセル密度は326ppiで、7.9インチでありながらiPad Airと同様の解像度(2048×1536ドット)を誇る。
 どちらも64ビット「A7」プロセッサと「M7」モーションコプロセッサを内蔵しており、iPad Airは従来比で最大2倍のCPU性能とグラフィックス性能、iPad mini Retinaは従来比で最大4倍のCPU性能と最大8倍のグラフィックス性能を提供するという。
 日本での発売日はiPad Airが11月1日、iPad mini Retinaは11月中となる予定。いまのところ、ソフトバンクはiPad AirとiPad mini Retinaのそれぞれで「Wi-Fi+Cellularモデル」と「Wi-Fiモデル」の両方を、KDDI(au)はiPad Airの「Wi-Fi+Cellularモデル」とiPad mini Retina(取り扱いモデルは未定)を販売することを明らかにしている。注目のNTTドコモは「検討中」の状態だ。
 気になる評判だが、報道関係者向けのセッションでiPad Airを触った記者は、469gという重量について「手にとって見ると片手でも軽々と持ち上げられる」「毎日持ち歩く用途でも活用できそう」と評価している。実際、9.7インチクラスの競合製品の中で比較したところ、iPad Airは最も軽量になるという。

2013年10月22日火曜日

アマゾンのジェフ・ベゾスが実行するトヨタ式改善「顧客は常に正しい」


http://www.sbbit.jp/article/cont1/27009?page=1







「改善をやっています」という企業は多い。しかし、なかには「改善」ではなく「改善ごっこ」に終始している企業も少なくない。「改善」には本当の「改善」と「改善ごっこ」の二種類がある。一体、両者を分けるものは何なのだろうか。「本当の改善」を知ることがトヨタ式改善のスタートであり、企業や組織を強くし、そして人づくりへとつながっていくことになる。
執筆:若松 義人

自分たちのサービスや仕組みを顧客に合わせる

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アマゾンのジェフ・ベゾス氏
(Photo by James Duncan Davidson
顧客からの「要望」や「苦情」を「厄介ごと」と考えるか、「改善のヒント」ととらえるかで企業のありようは大きく変わる。たとえ、その顧客の要求が「そんな無茶な」というようなものであってもだ。 

 アマゾンが正式にスタートした初日から、創業者でCEOのジェフ・ベゾスは「顧客は常に正しい」として、顧客の要望には可能な限り応えようとした。返品の期間を15日以内から30日に延長したように、顧客に合わせてもらうのではなく、自分たちのサービスや仕組みを顧客に合わせていった。アマゾンからの箱が開けにくいという老婦人からの要望を受けて、箱の設計を変更したこともある。 

 こうした変更には手間もコストもかかる。社内のあれこれを変える必要もある。しかし、ベゾスは「顧客は常に正しい」を貫くことで、改善を繰り返した。すべては顧客の信頼を勝ち取るためだった。 

 企業が改善を行う際、往々にして間違えるのは「誰のための改善か」「何のための改善か」という視点を忘れ、改善したつもりが「改善ごっこ」になってしまうことだ。 

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(※本写真はイメージです)
ある地方の病院でのことだ。その病院は患者の評判がとても良く、いつもたくさんの患者が診察に訪れ、待ち時間は2時間以上かかることが常だった。よくある光景だ。しかし、その病院の院長は患者を長い時間待たせることが嫌で、いつも「何か良い知恵はないか」と考え続けていた。病院のスタッフにも「何とかできないか」と言い続けていた。 

 やがて一つの改善が行われた。待合室に新聞や雑誌をたくさん用意して、お茶やコーヒーも自由に飲めるようにした。さらにマッサージチェアも何台か購入して、待っている間に無料でマッサージを受けられるようにした。評判は良かった。これまで何もすることがなく、ただ黙って座っているか、顔見知りと話すくらいしかなかったものが、マッサージを受けながらお茶を飲めるようになったのだから患者、特に年配の患者にはとても好評だった。 

 しかし、この改善に院長は大いに不満だった。たしかに患者の評判は悪くないが、長い待ち時間を前提にした改善は本当の改善ではないと感じていた。患者にとって本当に必要なのは長い待ち時間を快適に過ごすことではなく、できるだけ短い待ち時間でしっかりとした診察を受けることができることだ。 
 
そこで、院長は元トヨタマンのAさんに相談、待ち時間の解消に乗り出した。Aさんが最初に手掛けたのは整理整頓の行き届いていなかった事務室などの5Sであり、なぜ時間がかかるのかという真因を調べることだった(5Sとは、整理、整頓、清掃、清潔、躾のことで、トヨタ式の考え方の基礎・基本のほとんどが入っていると言っても過言ではない言葉だ。この5Sについての詳細は、次回述べることにする)。 

 トヨタ式のものづくりは「流れるようにつくる」ところにある。それに比べて病院での診察の流れはあまりにムダが多かった。流れが途切れ、診察や検査、検査から注射、そして会計といった間に何度も待ち時間が生まれ、結果として長い待ち時間へとつながっていた。 

 Aさんは5Sによってカルテなどのものがすぐに取り出せる状況をつくったうえで、カルテをトヨタ式の「かんばん」代わりにしてスムーズな流れを生み出した。結果、2時間以上かかっていた待ち時間は1時間を切るようになり、人によっては30分とか40分くらいで受付から会計までが終わるようになった。ここまでくればマッサージチェアに座っている暇はなかった。 

 トヨタ式改善で大切なのは「改善はお客さまのためにやる」であり、「真のニーズに応えるためにやる」ことだ。お客さまのためにやるからこそ改善は価値を持ち、お客さまのニーズを無視した改善はただの「改善ごっこ」になってしまう。改善に取り組む際にはどんな時も「この改善は誰のために行うのか」「この改善は何のために行うのか」を問いかける必要がある。 

「変えていいものと変えてはいけないもの」をしっかりと見極める

次に気をつけるべきは「変えていいものと変えてはいけないもの」をしっかりと見極めることだ。企業の中には改善によってコストを下げたいと肝心の「品質」や「味」「サービス」といった大切なものまで低下させてしまうところがあるが、これではたとえ改善を行ったとしても、たとえ一時的な利益にはつながっても、長い目で見れば大切なお客さまを失うことになる。 

 「品質と安全はすべてに優先する」という言い方がトヨタ式にあるが、改善にあたっては改善によって「変えていいものは何か」「絶対に変えてはいけないものは何か」をしっかりと見極めたうえで取り組むことが必要だ。たとえば、ものづくりでは「品質を維持向上させながらコストを下げていく」といった原則を守りながら改善策を考えることがとても大切なのだ。 

 こうした原理原則を踏まえたうえで改善に臨んだとしても、もちろん結果がうまくいかないことだってある。改善したつもりが改悪になるケースだ。こうした場合、たいていの企業は「元に戻す」という選択をしがちだが、トヨタ式の場合、「改善が改悪になったら、元に戻すのではなくさらに改善する」という姿勢を重視する。 

 もちろん進む方向が間違っていれば別だが、目指すところが正しければ、改悪になったからと言って安易に元に戻すのではなく、改善をやり続けることでより良いものを目指すのが一番いい。 

 「結果を出すには『ゆっくり、たゆまず』進めるしかなく、しばらくすれば楽になると自分たちをだますことはしません」はジェフ・ベゾスの言葉だが、改善という小さな一歩を細かく繰り返すことで、トヨタやアマゾンのように人はすごい場所にまで辿りつくことができる。 

 トヨタ式改善に取り組むにあたっては是非ともこうした視点、姿勢を守り続けていただきたいものだ。次回は、病院の事例で出てきた「5S」について詳しく取り上げよう。

〔参考文献〕 
1)参考文献『トヨタが「現場」でずっとくり返してきた言葉』(若松義人著、PHPビジネス新書)
2)『ジェフ・ベゾスはこうして世界の消費を一変させた』(桑原晃弥著、PHPビジネス新書)

(執筆協力:桑原 晃弥)
 若松 義人
1937年宮城県生まれ。トヨタ自動車工業に入社後、生産、原価、購買、業務の各部門で、大野耐一氏のもと「トヨタ生産方式」の実践、改善、普及に努める。その後、農業機械メーカーや住宅メーカー、建設会社、電機関連などでもトヨタ式の導入と実践にあたった。91年韓国大字自動車特別顧問。92年カルマン株式会社設立。現在同社社長。中国西安交通大学客員教授。
著書に『「トヨタ流」自分を伸ばす仕事術』『トヨタ流「改善力」の鍛え方』(以上、成美文庫)、『なぜトヨタは人を育てるのがうまいのか』 『トヨタの上司は現場で何を伝えているのか』『トヨタの社員は机で仕事をしない』『なぜトヨタは逆風を乗り越えられるのか』(以上、PHP新書)、『トヨタ式「改善」の進め方』『トヨタ式「スピード問題解決」』 『「価格半減」のモノづくり術』(以上、PHPビジネス新書)、『トヨタ流最強社員の仕事術』(PHP文庫)、『先進企業の「原価力」』(PHPエディターズ・グループ)、『トヨタ式ならこう解決する!』(東洋経済新報社)、『トヨタ流「視える化」成功ノート』(大和出版)、『トヨタ式改善力』(ダイヤモンド社)などがある。

2013年10月18日金曜日

グローバル企業の多くがSNSで応募者をチェック - 効果的なプロフィールは?

http://news.mynavi.jp/news/2013/10/16/029/


人材紹介会社のヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント・ジャパンは、転職で更に成功を目指す場合「ソーシャル・メディアの有効利用」が効果的と説明し、転職時におけるソーシャル・メディアのプロフィール掲載についてコメントを発表した。
同社のリージョナル・ディレクター、ジョナサン・サンプソン氏は、「企業の人材採用において、ソーシャル・メディアの重要性がますます高まっている」と解説。グローバル企業の多くが、採用候補者のリサーチに「LinkedIn」などのソーシャル・メディアを使用しており、「転職活動を行っている人はソーシャル・メディアのプロフィールを常に更新しておくことが大変重要」と述べている。

SNSのプロフィール掲載には賢明さと注意深さが必要

プロフィールの掲載とその管理については、「賢明さと注意深さが求められる」とし、具体的なアドバイスとして、「自身の知識・技能、達成した成果を伝えること」、「新しく知り合った人をコンタクトに追加すること」、「プロフィールの写真は最新のものを使用すること」、「古い情報は削除し常に新しいものにアップデートすること」などをあげた。
また、「情報公開の内容と場所を考慮すること」や、「個人と仕事関係のアカウントを分けること」、「履歴書とソーシャル・メディアで掲載したものが統一されていること」、「勤務先企業のソーシャル・メディアに関する方針に従うこと」などに気をつけ、注意深くあるべきとしている。
同社では、転職活動時にソーシャル・メディアを活用する人がまだ少ない日本に対し、「自身のスキル、前職での経験、業界での評判も伝えることができるため有利に転職を進められる」とプロフィール掲載を薦めており、特に「業界の評判」については「企業がソーシャル・メディアを使い採用候補者をリサーチする際大変重要になる」とコメントしている。

ヤフー、リアルタイム解析可能な「Yahoo!アクセス解析」を10月30日より提供

http://news.mynavi.jp/news/2013/10/16/254/


ヤフーは10月16日、リアルタイムアクセス解析ツール「Yahoo!アクセス解析」とタグマネジメントサービス「Yahoo!タグマネージャー」を30日より提供すると発表した。
Yahoo!アクセス解析は、広告だけでなく、自然検索やリアルタイム分析、来訪者のユーザー属性分析など、全ての流入を一元的に管理出来るアクセス解析ツールで、原則無料で利用できる。
一方、Yahoo!タグマネージャーは様々なタグを一元管理出来るタグマネジメントサービスで、共通タグをWebページに埋め込むだけで複数のタグ管理が可能となる。そのため、タグの導入や運用負荷の削減、ページ表示時間の高速化が図れるとヤフーでは説明している。
両ツールはYahoo!プロモーション広告から提供されるため、「Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)」か「スポンサードサーチ」を利用しているYahoo! JAPANビジネスIDであれば、同日より使用できる。
また、Yahoo!アクセス解析のタグはYahoo!タグマネージャーと連携しているため、アクセス解析を利用する場合にはタグマネージャーツールを併用する必要がある。

TwitterのQ3売上高は1年前から2倍に、しかし赤字が拡大

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20131017/511602/




米Twitterは、新規株式公開(IPO)の実施に向けて現地時間2013年10月15日に米証券取引委員会(SEC)に提出した書類(修正S-1)において、同年第3四半期の業績を明らかにした。売上高が1年前より倍増した一方で、純損失は拡大している。
 第3四半期の売上高は1億6860万ドルで、前年同期の8230万ドルから105%増加した。広告収入は同123%増の1億5340万ドル、Twitterが収集したデータへのアクセスをパートナー企業に許可するデータライセンシングの収入は同108%増の1510万ドルだった。
 純損失は6460万ドルとなり、前年同期の2160万ドルから3倍に膨らんだ。
 月間アクティブユーザー数(MAU)は2億3170万人で、前年同期の1億6710万人と比べ39%増加。第2四半期の2億1830万人からも伸びている。
 第3四半期は、MAUの76%がモバイルからアクセスしており、広告収入の70%以上をモバイルが占めている。第2四半期は、MAUの75%、広告収入の65%以上がモバイルだった。
 また同書類から、Twitterが上場先を米ニューヨーク証券取引所(NYSE)に決めたことが分かった。
 一部の米メディア(Wall Street Journal)は、MAUの成長率が減速していることを指摘している。第3四半期は前期比6%増であるのに対し、第2四半期は同7%増、第1四半期は同10%増だった。なお、TwitterのIPO実施は11月と見られている。

2013年10月3日木曜日

iOS 7異説:「素人くさいアイコンをデザインしたのはだれ?」

http://japan.zdnet.com/cio/sp_12mikunitaiyoh/35033540/?ref=yj


 The Next Web(TNW)というIT系のブログに、「iOS 7が(iOS 6)とあれほど違ってみえるのはなぜ?」というタイトルの記事が出ていた(註1)。この記事の中に「新しいアイコンの多くは、Apple社内の主にマーケティングやコミュニケーション担当部門のメンバーがデザインした」という一文があるのをみて、「なるほど」と思わず膝を打ってしまった。膝を打ってしまったのは、その少し前にiOSの新しいデザインを酷評したThe Vergeの記事(註2)などを目にしていたからだが、その批判についてはいったん脇に置くことにしたい。
 このTNW記事によると、2012年11月からUI(を含む、Human Interaction)全般を見ることになったJony Iveは、社内で印刷物やウェブマーケティング関連の仕事をしているデザインチームのメンバーの力を借りて、iOS 7のルックスやアイコン用のカラーパレットを決めた後、その結果をiOSのアプリ・デザインチームに持って行き、「内側」をデザインさせたらしい(註3)。「内側」については"interior"としか記されていないが、おそらくアプリを選択し、立ち上げてからの各画面や要素のことと思われる。
 The New York Times(NYTimes)のBitsブログ(註4)で紹介されていた、Sebstiaan de Withという人物のツィートには「これ(iOS 7のデザイン)はグラフィック・デザイナーの手になるもの。インタラクション(操作)の手がかりも見つかりづらく、アイコンのつくりは極めてお粗末で、タイボグラフィーはHelveticaの使い過ぎ」という指摘(註5)があるが、この指摘と上記のTNWの話の内容とは妙に辻褄が合う。
 また、日向(ひなた)での視認性の悪さを指摘した別のツィート(註6)も紹介されているが、こちらの発言者はTwitterで主席デザイナー(Principal Designer)として働くJohn Brewerという人物だという。いずれにしても、その筋の玄人がみれば一目で「素人の仕業」とわかる代物、ということだろうか(パッケージや印刷物といったいわゆる「紙」のデザイン、あるいはパソコンモニターでの表示が中心と思われるウェブデザインの専門家を、「モバイルOS・アプリのデザインについては素人」と言い切ってしまうことには抵抗があるが、それでもやはり「勘所の押さえ方」のような部分で大きな違いが出そうなことは想像がつく)。
 長らくiOS開発部門を(半ば自治領のような形で)取り仕切ってきたとされるScott Forstall(スコット・フォーストル)の失脚が2012年の10月末。そこから数えて、多めに見積もっても約7カ月強という短期間で、ここまで大きな変更を形にしてきたJony Ive。今回の基調講演でだいぶ評判を上げたCraig Federighi(ソフトウェア・エンジニアリングの責任者:註7)との二人三脚であったにしても大したもの――まして、長い間15人~20人程度の小さなチームで仕事をしてきたとされるIveが、それまでほとんど交流のなかったiOS開発チームとの間で信頼の基盤をつくるだけでも、それなりの時間がかかりそうなことは比較的簡単に想像できる・・・・・・などと私には思えるが、いずれにしてもそんなIveの苦労がしのばれるような話といえるかもしれない。

(Jony Iveにも強い影響を与えたとされる工業デザイナー、Dieter Ramsへのインタビュー。Jony Iveは物理的な制約の少ないソフトウェアの領域で、Ramsの作品を超えるような何かを作り出さなくてはならない・・・・・・おそらくそんな「暗黙の期待感」がすでにあるはずだと私には思える)
 Jony Iveの手がけた製品(ハードウェア)と言えば、もう何年も前から「ストイック」という形容詞が真っ先に思い浮かぶようなものが続いてきている。MacBookやiMacでもあるいはiPhoneやiPadでも、「もうこれ以上削るところなど無いのではないか」と思えても、さらに薄い、あるいは軽いものを生み出し続けてきた。一部には「ユーザーによる修理のための分解・部品交換もままならないものをつくってけしからん」という批判もあるほど(註8)。色使いにしても然りで、白と黒、それにメタルシルバーという「3色使い」がずっと基本になっている(意図的にカラーバリエーションを持たせたiPod touchのような例外もあるにしても)。
 そういう無駄をそぎ落としたデザインに慣れてしまった身からすると、いまのiOS 7にみられるたいへんカラフルな、文字通り「いろいろな色で満たされた」表面の意匠というのはいささか意外なものでもあった。「善し悪し」とか「好き嫌い」とかとはまったく別のところで、そんな意外性を感じた。
 むろん、その昔カラフルなiMac(CRTモニター内蔵)をデザインしていたのもIveだから、「たまにはこういう(派手な)選択肢もあるのか・・・・・・」くらいに思って、そのまま疑問を棚上げしていたのだが、このTNW記事を読んで改めて思ったのは、iOS 7の(少なくとも今の)デザインが「Jony Iveの作品」とは言いがたいのではないかということ、そしてTNWの聞いた話がほんとうであるとすれば、そういう(分散型?の)デザインプロセスから生まれたiOS 7のデザインに「スティーブ・ジョブズが生きていれば、果たしてOKを出したか」といったことである。
 どちらも結論のない、あるいは結論を出す必要もない問いという自覚もあるので、ここでは無用な詮索はしない。その代わりに、といってはなんだが、このTNW記事の中にもうひとつ興味深い指摘があるので、ここではそれを紹介して話を締めくくることにする。
 TNWが関係者から聞いた話によると、iOS 7はいまもなお開発作業の真っ最中であり、WWDCの基調講演で披露されたのは「製作途中の作品」("work in progress")で、特に表面的な部分--アイコンや他の視覚的な部分についてはかなり流動的な状態だという。
 今回の発表をきっかけに得られた外部からのさまざまな反応を踏まえて、iOS 7開発陣が正式リリースまでの限られた時間の中で、今後どこまで大幅な変更を加えてくるのか(あるいは、加えてこないのか)。
 そして、全般に(他のモバイルOSに対する)「キャッチアップ」といわれることの多いiOS 7(註10)のさらに先に、Iveがそれこそ「Form follows function」を体現したような新しいインタラクションの形を生み出すことができるのか・・・・・・またひとつ楽しみなことが増えたと言えるかもしれない。


[Jonathan Ive talks about Mac design]
(素材の選定や製造工程にこれだけ強いこだわり、あるいは深い思考があるIveが、ソフトウェアの領域でどんなものを生み出せるのか)

註1 ・Why does the design of iOS 7 look so different? - TNW このTNW記事、内容は「関係者から聞いた話」という類いのもので、その信憑性を確かめるすべは無論ないが、それでもいかにもありそうな話で面白い。
註2 ・The design of iOS 7: simply confusing - The Verge
註3 First of all, many of the new icons were primarily designed by members of Apple’s marketing and communications department, not the app design teams. From what we’ve heard, SVP of Design Jony Ive (also now Apple’s head of Human Interaction) brought the print and web marketing design team in to set the look and color palette of the stock app icons. They then handed those off to the app design teams who did their own work on the ‘interiors’, with those palettes as a guide. ・Why does the design of iOS 7 look so different? - TNW
註4 ・Love and Hate for Apple’s New Mobile Software - NYTimes
註5 "This is iOS as re-imagined by a graphic designer. Non-obvious, undiscoverable interactions, extremely poor iconography, over-Helveticated." このSebstiaan de Withなる人物、肩書きの欄(自己紹介)には「doubleTwist (というアプリメーカーの)チーフ・クリエイティブ・オフィサー」とある。
註6 "You gotta wonder if they took their phones outside and looked at all that thin-lined icon + transparency stuff in the sunlight."
註7 ・Apple's Rising Star: Craig Federighi - WSJ
註8 ・THREE WAYS WE HOPED THE IPAD WOULD BE BETTER (BUT WASN’T) - iFixit Unsustainable Design: Apple's Perpetuation of "Throw-Away" Culture
註9 The work on design and development is still going full tilt, and what was presented this week is firmly a ‘work in progress’. We’re told, for instance, that some builds of iOS used onstage at the conference by presenters are already newer than the ones pushed out on Monday. Of the various aspects of iOS 7, the design of its icons and other visual cues are the most in flux at the moment. There are still refinements and conversations going on around them. I don’t know but would expect there to be a lot of fixes for the inconsistency we’re seeing in things like gradients and design language on the home screen. ・Why does the design of iOS 7 look so different? - TNW
註10 もっと明け透けな言い方で、たとえば「アイコンなどのフラット化はWindows Phone、Windows 8への賛辞」とか「マルチタスク画面はwebOSのもの真似、またコントロールセンターはAndroidのもの真似」などと評する声も。

東京五輪招致、日本のプレゼンに成功の7法則

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0200G_S3A001C1000000/


(2013年9月26日 Forbes.com)
 「東京」がみせたプレゼンテーションは世界で最も価値のあるものだったのかもしれない。東京が投票権をもつメンバーの心をつかんだ45分間のプレゼンを展開した後、国際オリンピック委員会(IOC)は2020年の夏季五輪の開催地に東京を選んだ。SMBC日興證券によると、五輪開催の経済効果は東京とその周辺地域で400億ドル規模になるとみられる。東京がいま、お祝いムードにあふれているのは、経済効果だけではなく、21世紀に日本を改めてよみがえらせる力を感じているからだろう。
東京が五輪開催都市に選ばれた瞬間。招致活動の集大成ともいえるチーム・プレゼンは審査員の心に響いた(9月7日)=ロイター
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東京が五輪開催都市に選ばれた瞬間。招致活動の集大成ともいえるチーム・プレゼンは審査員の心に響いた(9月7日)=ロイター
 日本でのある報道によると、IOCで投票権を持つ96人の委員のなかで、当初は東京での開催には慎重だった委員たちも東京の最後の「お願い」に心をわしづかみにされたようだ。今回の東京の招致活動をプロデュースした、ロンドンを拠点とするコンサルタント「セブン46」の創業者で最高経営責任者(CEO)、ニック・バーリー氏によると、「プレゼンが優れていると、最初からの支持者にとっては、やはりその人に投票しようという、支持の気持ちを強める結果を生む。そして態度を決めかねている人は、プレゼンを見て支持に傾くだろう」。
 バーリー氏が私に語ったところによると、最も難しかったのは日本人の登壇者を自分たちの居心地のよい殻から抜け出させ、いわゆる「西洋スタイル」でプレゼンを実行させることだった。この言い方は、私にもなじみがある。私の著書のいくつかがベストセラーとなっている日本で、日本の人々は私に、視覚に訴え感情豊かで情熱的で、エピソードがふんだんに盛り込まれているプレゼンは楽しいと話してくれた。中にはそれを「アメリカンスタイル」と呼ぶ人もいる。そんなとき私が伝えるのは、こうしたプレゼンは「西洋スタイル」でも「アメリカンスタイル」でもなく、どんな言語であっても人の心をつかむスタイルなのだ。
 ジャーナリストやコミュニケーション、話し方の研究を25年間続けてきた私のキャリアをふまえて言うと、東京は2020年五輪の招致活動で、私がこれまでにみてきた中で最も優れているといえるチーム・プレゼンだった。ここで、今回の成功の背景にある7つの要素を挙げてみよう。あなた自身のプレゼンを五輪招致レベルに変身させる7つの法則でもある。

■1 あっと言わせる瞬間を用意する
 感動的なプレゼンには、私が「スゴい、なんだこれは!」とか「あっと言わせる瞬間」と呼ぶ、驚きに満ちて予想外で、聴衆から感情的な反応を引き出す瞬間がある。
パラリンピック選手の佐藤真海さん=AP
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パラリンピック選手の佐藤真海さん=AP
 IOCは、日本のプレゼンが「伝統的」(または格式張ったともいえる)ものになるだろうと予想していた。ところが、プレゼンはパラリンピック選手、佐藤真海さんのニコニコと輝くような笑顔で始まった。19歳でガンのため片足を失ったこと、それにも負けず、大学に入学し陸上を再開、パラリンピック選手になったこと。「私がここにいるのは、スポーツに救われたからです」。佐藤さんはこう聴衆に語りかけた。
 バーリー氏によると、「従来のオリンピック招致の手法や日本の文化から考えると、初めに話をするのは年長のトップ級、例えば、都知事や首相からというのが相場で、聴衆はこうした伝統的な招致作戦が始まるだろうと思っていた。年配者がリーダーシップをとり上層部が厚いイメージだ。私たちはそのステレオタイプを壊そうと決めていた。真海が演壇に立った瞬間から、従来型のプレゼンではないことははっきりしていた」
■2 映像と写真でみせる
佐藤さんが練習の様子を写真で見せる=ロイター
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佐藤さんが練習の様子を写真で見せる=ロイター
 私たちは、YouTubeに毎分100時間分の動画が投稿されるマルチメディアの時代に生きている。魅力的なプレゼンも写真や映像を含むマルチメディアを活用している。伝統的で格式ばったパワーポイントを使ったプレゼンだったら、スライドには多くの言葉を盛り込めただろう。その代わりに、佐藤真海さんのプレゼンの冒頭5分間は写真で構成されていた。そのうち何枚かは佐藤さんが義足で陸上競技に参加しているものだ。
 映像が果たした役割も重要だ。東京のプレゼンでは音楽と写真、若い選手の動画を融合した、流れるようなビデオ映像を4本流した。「視覚に訴える部分は本当に、ビジュアルでなければいけないと強く信じている」とバーリー氏は言う。「この点は日本の標準的なプレゼン手法とは大きく異なっていた。多くの言語、多数の国籍で成り立っている聴衆を前にする場合には、言葉を映像で描くようなスライドを作りなさいとアドバイスした」。


■3 10分ルールに従う
 さまざまな研究から、私たちは10分たつと集中力を失い始めることが分かっている。プレゼンでは長くて10分おきに「ちょっと休憩」という時間をとる。そうして精神を落ち着かせてから聴衆を再び引き込み、ずっと集中して聞いてもらえるようにしてくださいと私は勧めてきた。東京のプレゼンはまさにこれを踏襲した。45分間のプレゼンで7人が演壇にのぼったが、4本のビデオ映像もあったため、1人の話が3~4分以上長いものにはならなかった。
■4 個人的な話をしよう
アーチェリーのエピソードを語った安倍首相=AP
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アーチェリーのエピソードを語った安倍首相=AP
 人と人の気持ちをつなぐのに、物語は重要だ。ビジネスの世界ではそうした才にたけた人はほとんどいない。日本企業で連綿と続いてきたパワーポイント式のプレゼンは、他のどの国のビジネスシーンでのパワーポイント式プレゼンと変わりはなく、エピソードが語られることもほとんどない。東京の五輪招致プレゼンは違った。安倍晋三首相を含む発表者全員が、スポーツによって人生がどう変わったかを語りかけた。安倍首相の場合は1973年に大学で始めたアーチェリーだったという。アーチェリーが五輪競技に復帰した翌年のことだった。
 プレゼンの口火を切った佐藤真海さんのエピソードも覚えているだろう。佐藤さんは2011年の津波とその直後の日々について語った。「津波は私の故郷を襲いました。私は6日間、家族の安否が分かりませんでした。私は家族が無事だと確認できましたが、個人的な喜びは国全体を覆う悲しみに比べれば大したことではありませんでした。私はいろいろな学校からメッセージを集めて故郷に持ち帰り、救援物資も持って行きました。他のスポーツ選手たちも同様でした。私たちは力を合わせて、自信を取り戻すためのスポーツ活動を立ち上げました。このとき初めて、私はスポーツの真の力を知りました。それは、新しい夢と笑顔を創造すること。希望を与えること。人と人をつなぐことです」
■5 3つに絞る
 私の読者なら、いつも私が話を3部構成にするようにと強く提唱していることをご存じだろう。伝えたいメッセージがよく聞こえるし、人間は短期的にはだいたい3つの事柄しか覚えていられないと科学的調査が示している。「3つのルール」は東京のプレゼンで徹底されていた。例えば招致委員会の竹田恒和理事長は東京がもつ3つの強み、運営、祝祭、革新について説明した。「まず運営です。東京では安全な体制での運営、またはそれ以上をお約束できます。次に祝祭。東京での五輪はこれまでにないような都市型の素晴らしい祝祭となるでしょう。最後に革新です。東京は世界のスポーツのために、可能な限りの創造性と技術を提供します」。他の発表者のほとんどが、メッセージに修辞的なしかけを盛り込んでいた。


■6 情熱をみせる
 聞く人を高揚させる話し手は、情熱や熱狂、興奮とともにメッセージを伝えられるものだ。強く感情に訴えるやり方に、プレゼンターたちはあまりしっくりこなかったようだが、バーリー氏は自分たちの殻を破ってIOCの人たちに、個人的に心を打つようにアピールするよう励ました。プレゼンターたちは個人的な話を盛り込み、笑顔をみせ、スポーツと東京という街への情熱を響かせる強い言葉を使うよう助言されていた。この結果、東京のプレゼンはIOCメンバーが予想していなかった、直接的で感情的なものとなった。
東京五輪招致のプレゼンテーション制作で中心となったニック・バーリー氏=共同
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東京五輪招致のプレゼンテーション制作で中心となったニック・バーリー氏=共同
 東京招致委員会の竹田理事長はこんな直接的で情熱的なアピールを聴衆に訴えた。「まさに今が、東京を選ぶべき時です。万全の運営をお約束します。五輪の価値を共有し支持する国民がいます。そして日本人は五輪をサポートするために、いとうことなく働ける国民です」。
 どの話者もそれぞれの持ち時間の間にこぶしを胸にあて情熱を示すなど力強いジェスチャーを使っているのが分かる。これは小さいが目に留まるジェスチャーで、最後に映し出された映像の中でも、五輪に向けて練習を積む世界の子供に同じジェスチャーをさせている。
■7 練習時間を確保する
 素晴らしいプレゼンは、しっかりリハーサルされているものだ。9月の本番に向け、リハーサルは7月に始まった。各登壇者は言葉(プレゼンは英語とフランス語で行われた)、発音、そして話しぶりに注意して練習した。全員が早めに現地入りして、本番の会場に似せた講堂で1週間以上、リハーサルを重ねた。首相も最終プレゼンの前にリハーサルをしたほどだ。「練習は大切だ。練習すればするほど、緊張しなくなるからだ」とバーリー氏は言う。「もし本番前に緊張したとしても、自分はこれを何十回も繰り返したのだと思えば強い気持ちをもてる」
 国全体の士気はあなたの次のプレゼンには関係がないかもしれないが、勝利はあなたの会社やキャリアの大きな成功を意味する。どんな言葉でもどこの国でも、この7つの法則が成功を招くことは確かだ。
By Carmine Gallo, Contributor
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