2013年1月31日木曜日

「我々は来年、ドコモの営業利益に並ぶ」――ソフトバンク孫社長



「我々は来年、ドコモの営業利益に並ぶ」――ソフトバンク孫社長

ソフトバンクが2012年4月~12月期の決算を発表。増収増益を達成し、通期目標の営業利益7000億円の達成を確実視する。2013年度は営業利益8000億円を見込み、同社の孫社長は「ドコモに並ぶ」と強調する。




「我々は来年、国内の事業だけで、ドコモの営業利益に並ぶ」
 ソフトバンクは1月31日、2012年度第3四半期(4~12月期)決算を発表した。売上高は前年同期比4.7%増の2兆5097億円、営業利益は前年同期比12.6%増の6001億円で、増収増益となった。決算会見でソフトバンクの孫正義社長は、通期目標である営業利益7000億円の達成を確実視。さらに、2013年度の国内事業の営業利益の見通しを8000億円とし、NTTドコモの営業利益(2012年度目標8200億円)に迫ることを強調した。
 2012年4~12月期は、「iPhone」や「iPad」、さらに子どもやお年寄りをターゲットにした「みまもりケータイ」の販売好調などにより、純増契約数は237万3000件(4~12月累計)に。契約が増えたことで通信料売上が増加し、売上増加に寄与した。
 孫社長は会見で、業績が順調であることを強調し、通期の営業利益目標である7000億円を確実に達成できるとした。また、2013年度の営業利益の見通しを8000億円と発表。「ドコモの営業利益は毎年8000億円を少し超えた程度。今年も8200億円の見通しだ。我々は来年、ついにそのレベルに達する」と話し、ボーダフォン買収時から掲げてきた業界1位のポジション獲得に挑戦する姿勢を見せた。
 2013年、同社は米Sprint Nextelを買収完了する予定だが、目標の8000億円は国内事業に限った営業利益を指すという。また、買収に合わせて国際会計基準(IFRS)を適用するが、営業利益8000億円は従来の会計基準で達成するとした。
 IFRS適用による海外も含めた2013年度連結営業利益は、買収に伴うさまざまな一時的費用もかんがみ、7000億円前後を想定。2014年度には、同社の最高益更新を見込む。

「スマートフォンの子機」が登場:HTC

■なんだか、どこかで見たことのあるデザインだな。。。(担当:i)

「スマートフォンの子機」が登場:HTC



台湾のHTC社が、機能が限定された小さい「電話機」を発表した。「Slashgear」の記事によると、サイズも機能も大きいスマートフォンと一緒に使うものだという。

その名も「HTC Mini」。ストレートタイプのフィーチャーフォンのように見えるが、HTCの特大スマートフォン「Butterfly」(米国内では「Droid DNA」)と、近距離無線通信(NFC)でつないで使う。巨大なAndroid端末も、これで恥ずかしくないし邪魔にもならないというわけだ。

HTC Miniはテンキーと小さな画面があり、Butterflyの子機として使うほかに、Butterflyをより大きなディスプレイにつないだときにはリモコンにもなる。Miniだけで電話をかけたり、カレンダーの予定やメッセージを表示したり、Butterfly側のシャッターを操作したりもできる。

スマートフォンも5インチを超えるサイズになると使いにくい、特に片手では使いにくいという人がいるだろう。1,080pの美しい大きなディスプレイに惹かれて大型スマートフォンを購入した人たちは、返品できなくなるまで、その現実を理解しないのかもしれない。それにしても、大きな端末の届かない部分を埋め合わせるためにセットで使うデヴァイスを発表するとは。かえってその大きな端末が策略だったように思えてくる。

「Wall Street Journal」の記事によると、互いに補うサイズの携帯電話を2台持ち歩く習慣は、これまでなかったわけではないという。アジアの女性のなかには、大きなスマートフォンをハンドバッグの中に入れ、服のポケットの中には補助的な別の携帯電話を入れておく人が結構多いというのだ。われわれとしては、ファブレット(大型スマートフォン)の流行に合わせすぎなのではという印象なのだが、すでに利用している人がたくさんいるというのであれば、反論するのは難しい。

2013年1月30日水曜日

ソーシャル疲れは女子に顕著?チェックしたい対策3つ

■基本はリアルと同じで、楽しい部分もあり疲れもあり。。。(担当:i)

ソーシャル疲れは女子に顕著?チェックしたい対策3つ

人と人との繋がりがSNSから広がっていく現代に、いよいよこんな問題点があげられているのをご存知でしょうか?
「“疲れ”を隠せないSNS ユーザーの実態 — これから必要なのは“ソーシャルデトックス” - インターネットコム」
上記の記事では「SNS利用者の本音」をテーマに行われた調査結果について取り上げられています。
これによると、男性のうち57.2パーセント、女性では70.8パーセントもの人が「SNSの利用で不満に思ったことがある」という調査結果に。なんと、女性ユーザーの大半はSNSの利用に不満を抱いているんです。
この「不満」の理由について女性で一番多かった原因は、意外にも「自らの書き込みの返事があったか気になってしまう」(22.2%)というものでした。
他にも原因として「SNS 上での自分の行動や足跡が他人に知られること」(19.6%)、「SNS に拘束されるようになったこと」(17.6%)、「知人の書き込みに返事をすることが義務化されつつあること」(15.6%)、「友達申請を拒否しにくいこと」(15.0%)と、SNS上においてもリアルの人間関係と同等の配慮が必要な事に対して、義務感や閉塞感を感じている女性ユーザーが多いのがよく分かります。
そこで今回は、ソーシャル疲れにとっておきの対策法をご紹介したいと思います。
■対策1:まずはアナタも「スマホ依存度チェック」
以前ご紹介しました依存で妄想や幻覚が見える!? 『スマホ依存度チェック』 で、アナタの依存度をチェックしてみましょう。無意識のうちにスマホ依存になっているユーザーも多いので、まずは自覚することからSNSの利用法を見直してみて下さいね。
■対策2:子どもに限らず!大人も「スマホの約束」を大切に
以前取り上げたスマホの約束が話題に!子どもに持たせるとき考えたい の記事では、母親が13歳の息子と交わした「スマホ18の約束」を紹介させて頂きました。実はこの約束事には、SNSと上手に付き合っていくために大切なポイントが沢山隠されているので、大人としても考えさせられる内容ばかりなんです。是非いちど見直してみる事をオススメします。
■対策3:規制することこそ疲労を減らす第一歩
一昔前にmixiでも同じような現象が起きていたのをご存知でしょうか?
mixi疲れを心理学から考える(ITmediaニュース)によると、mixi疲れの対策には「自主規制ルールをつくる」「マイミクの数を整理する」「会った事がない人は自分と本当に合う人かを見極める」と紹介されていますが、同じような対策が他のSNSにも当てはまります。
せっかく魅力的なソーシャルが普及しているのに、逆にSNSに振り回されてしまっては勿体無いものですよね。皆さんも、上記の対策法を参考に、SNSを上手に利用していってくださいね。
【参考】

動画(笑):アドビ システムズの面接試験で横文字並べる応募者を嘘発見器にかける「ウソ発見器」動画が笑える

■いるいる。あるある。(担当:i)

アドビ システムズの面接試験で横文字並べる応募者を嘘発見器にかける「ウソ発見器」動画が笑える

 

 

 

 

 

アドビ システムズが、分析、ソーシャル、広告、ターゲッティング、エクスペリエンスマネジメントなどの包括的ソリューションとして提供する「Adobe Marketing Cloud」の製品紹介で、バズワードの本質を見極めて、ビジネスの武器にする動画として「ウソ発見器」を公開しています。

オンランマーケティング担当者の採用面接試験で、とりあえず横文字並べまくる人を不合格にするという内容で、結構こうゆう人いるかもと思ってしまいました。


もう1つは、大阪弁をしゃべる計算に強くても分析能力がまるでないロボットを首にする「ロボット」は、ネタが深すぎます。

2013年1月29日火曜日

ドコモの新規事業戦略を追う(第5回)――モバイルと健康で新サービス創造

 

ドコモの新規事業戦略を追う(第5回)――モバイルと健康で新サービス創造


ドコモ・ヘルスケア 代表取締役副社長・
経営戦略本部長 村上享司氏
NTTドコモとオムロン ヘルスケアが合弁で設立したドコモ・ヘルスケア。通信業界とヘルスケア業界のリーディングカンパニーが力を合わせることで、どんな新ビジネスが生まれるのか。ドコモ・ヘルスケアの村上副社長に聞いた。
――NTTドコモとオムロン ヘルスケアの合弁会社として2012年7月に設立されました。現在の状況をお聞かせください。

村上 2013年春~夏にオリジナルサービスの第一弾を開始する予定で、両社から出向してきている社員25人が力を合わせて取り組んでいるところです。サービスは試行錯誤を繰り返しながら磨きをかけていくものなので、準備が整い次第スタートしたいと考えています。

――具体的にはどのような事業プランですか。

村上 ドコモは通信業界、オムロン ヘルスケアは健康・医療機器業界でそれぞれリーディングカンパニーの立場にあります。オムロンは海外展開もしており、血圧計に関しては世界シェア1位です。双方が経営資源を持ち寄りコラボレーションすることによるメリットは3点あると考えています。

ドコモ・ヘルスケア 代表取締役副社長・ 経営戦略本部長 村上享司氏
 
1点目は、両社の持つ技術の親和性です。オムロン ヘルスケアの健康医療機器とドコモのスマートフォンをNFC等の技術を用いて連携させる機能を開発・活用することで、お客様が測定した血圧などの身体データを簡易にクラウド上に蓄積・管理できる環境を整え、それらのデータを基にした革新的なサービスを早期に実現することが可能となります。

2点目は、協業を志向していくアライアンスパートナーについてです。今後プラットフォームを構築する上では、健康に関する商品やサービス提供をお願いする第三者(企業)のパートナーの方々との連携は重要であり、これまで両社が築いてきた経験やノウハウが大モバイルと健康で新サービス創造きな強みになると考えています。我々がプラットフォームという「場」を作り、そこに健康に関心のあるお客様や、健康関連企業に集まっていただくことで、お客様1人ひとりが必要とするさまざまなサービスの提供を目指していきます。

3点目に、両社が顧客接点に持つ大きなアセットの活用です。ドコモが全国に約2400店舗展開しているドコモショップや、オムロン ヘルスケアが家電量販店やドラッグストアに持つ強力なネットワークを生かせば、幅広いお客様へのサービスの提供が可能となり、大きな力を発揮するはずです。もちろん、現在両社が持つそれぞれの大きな顧客基盤そのものが大きな強みになることは言うまでもありません。

価値の源泉はプラットフォーム
――モバイルとヘルスケアの組み合わせに注目している企業は他にも数多くあります。その中で、どう差別化を図るのですか。

村上 当社の価値の源泉はプラットフォームにあると考えています。よって、さまざなプレイヤーが参入する中で、プラットフォームの価値をいかに上げるかが重要です。身体データの分析やアルゴリズムといったオムロンのノウハウを使い、単にデータの閲覧にとどまらず、ライフスタイルの提案のようなもう少し踏み込んだ価値を提供することができるのではないかと思います。

――ドコモが提供するdマーケットとはどのように関わっていくのですか。

村上 ドコモの持つ6000万の顧客基盤は、たとえるなら人通りの多い銀座の一等地に店舗を構えているようなものです。dマーケットでは従来のデジタルコンテンツに加えて、12月からリアルの商品を扱うdショッピングが始まるので、当社との連携による相乗効果について検討を進めているところです。

――新会社は5年後に売上高100億円を目標にしていますが、実現可能性についてはどのように見ていますか。

村上 収益源として、いくつかの事業カテゴリーがあります。

まず、「サービス利用料収入」です。来年春~夏に提供開始するオリジナルサービスをはじめ、今後提供するサービスの対価として、お客様への月額課金モデルを検討しています。また、実現までに少し時間がかかるかもしれませんが、プラットフォーム事業としては、CPなどのサードパーティがコンテンツを提供する際、プラットフォーム利用料の収益が見込めます。

さらに、我々が提供するサービスと健康機器を連携させる以上、機器そのものを双方の販売チャネルを活用しながら売っていくことも考えています。

支持率ダントツ!? Softbank iPhone 5が女子中高生に人気なワケ

■いろいろ感じ方、見方、考え方があるもんだ。(担当:i)

支持率ダントツ!? Softbank iPhone 5が女子中高生に人気なワケ

 

支持率ダントツ!? Softbank iPhone 5が女子中高生に人気なワケ

街中に増殖し続けるスマートフォン・ユーザー。通勤電車や職場、学校など日常で実感することも多いだろう。そんな中でも、若者から年配の方まで幅広く普及しているのが、ご存知iPhoneだ。 

国内では現在auとsoftbankからリリースされているiPhoneだが、「一体どこが違うの?」「結局どっちの回線が速いの?」という疑問を抱えたまま、なんとな~く利用しているユーザーも多いはず。 

そんなiPhoneへの素朴な疑問に対するヒントが、年末年始にかけて女子高生を中心に行われたスマホについてのアンケート結果(「スマホ研究部 1月号★1集権記念号特別企画 スマホてってー大調査!結果発表」)から見えてきたので、以下に紹介しよう。 

まず、iPhoneユーザーとiPhone以外のスマホユーザーを比較すると、「とても気に入っている」と答えた割合は断然iPhoneユーザーの方が上。中でもiPhone 5ユーザーの満足度が最も高いが、どうやら「通信速度の速さ」「アプリの利用しやすさ」といった理由が多くを占めているようだ。 

そして、そんなiPhone 5の中でもSoftbank iPhone 5は「とても気に入っている」と回答した割合が最も高く、特に料金面が支持されている模様。一方au iPhoneは、家族が利用している、使い慣れた会社である、といった点に評価が集中している。 

さらに、電波や通信速度に関しては、auユーザーよりもSoftbankユーザーのほうが「LTE」(高速データ通信が可能な新規格)のエリアや速度を評価している割合が多い、という結果に。なんとなく女子中高生の意識は、デザインやアプリなど装飾的な面に向きがちとばかり思っていたが、やはり基本は通信速度だ。「回線整えてこい! 話はそれからだ!」という想いは、全ユーザー共通のものなのかもしれない。 

「LTE」でサクサクとスマホ生活をエンジョイしたいユーザーは、今のところ「Softbank iPhone 5」を本命と考えてよいと言えるのではないだろうか。 

2013年1月28日月曜日

“通る企画書”作りの基本/上司を説得できる企画資料の作り方講座#1


■ふむふむ。。。

“通る企画書”作りの基本/上司を説得できる企画資料の作り方講座#1

この記事を読むのにかかる時間: 約 6 分
上司を説得できる企画資料の作り方講座
上司を説得できる企画資料の作り方講座
新入社員が覚えておくと仕事がうまくいく“通る企画書”の作り方
この連載を始めるにあたって、「企画」とは何で、どういった「企画」が良い企画なのかを、「上司を説得できる企画資料の作り方講座」全体の解説ページにまとめてある。まず、そちらをご覧いただきたい。
リンクをクリックするのが面倒な方のためにざっくり要約すると、「良い企画とは実現まで至ったもののことであり、上司がOKを出してくれずに実現できなかった企画は、企画書がいくらきれいに作り込まれていても、その時点では良い企画だとはいえない」ということだ。
では、どうやったら上司を説得して実現まで至らせられる企画書が作れるかの第1回講座をお届けする。

ダメな企画書の例

まず、私が上司ならばOKを出さないだろう、「ダメな企画書」の例を示そう(図1)。ウェブサイトリニューアルについての資料の一部を抜粋したものだ。
図1 ダメな企画書の例—なにが悪いのだろうか?
図1 ダメな企画書の例—なにが悪いのだろうか?(画像をクリックで拡大)
一見、魅力的な企画だと考える人もいるだろう。この企画書はなぜダメなのか、考えてみてほしい。
この企画書のダメなポイントを解説する前に、企画書作りの基本を解説しよう。

だれに提案してだれがOKを出す企画なのか

企画を考える前にまず必要なのは、だれに対して企画提案を行い、その企画をだれが承認するか正確に把握することだ。
たとえば、あなたの直属の上司が課長であり、最終承認者が部長ならば、まずそれを確認する。そして直属の上司である課長のミッションを書き出してみる。たとえば、課長が週1回、アクセス数や週次のECサイトの売上、加えて、ウェブサイトの現状や競合の状況を部長に対して定例で報告している場合は下記のようになる。
課長のミッション:
  • ウェブサイトへの集客と売上アップ
  • ウェブサイトの有効活用方法模索・提案
あなたが考案している企画がある場合、その企画が上司のミッションとどう関わりがあるかをまず考え、あなたの提案によって上司のミッションが実現可能かどうかを考える必要がある。自分の感覚でウェブサイトリニューアルが必要だと考えても、リニューアル後に集客や売上アップにつながらないと思える企画ならば、上司がその企画を通す可能性は限りなく少なくなる。
上司がどういう課題を抱えていて、どういうミッションを与えられ、今後どうしていきたいかなどを知ることは、企画提案に際しては非常に重要なことになる。まずは提案相手について知ろう。直属の上司が社長だとしても同じことだ。

現状把握は必ず行う(現状分析)

どんな企画を行う場合でも、現状把握は必ず必要となる。場合によっては「背景」として今の市場の動向などを知ることが必要な場合もある。
ウェブサイトのリニューアル、ウェブプロモーション実施、CMS導入、グループウェア導入など、どんな企画提案の場合でも同じだ。まず、現状がどうなっているかを把握して、それを書く。
たとえば、ウェブサイトのリニューアルならば、現状のアクセス状況やウェブサイトでのコンバージョン(資料請求、問い合わせ、売り上げなどの最終的な結果)の状況、必要であれば、競合サイトの状況などがいいだろう。
ウェブプロモーションならば、現在行っているプロモーションの状況と結果(行っていないのであれば、競合会社が行っているプロモーションの詳細内容など)などがいいだろう。
企画提案に関連があると思われる現状の状況を、まず書き出してみよう。

分析には必ず数値データを入れる(数値情報入手)

現状分析において非常に重要なことがある。それは、できる限り数値的な情報を入手することだ。
たとえば、ウェブサイトのリニューアルやウェブプロモーションの企画ならば、次のような数値情報が考えられるだろう。
  • アクセス解析の数値データ
  • 月ごとのコンバージョンの数や率(コンバージョンの数や率はサイトの全体来訪者から見たものだけではなく、メルマガなどを行っているのであればメルマガ配信時の際のコンバージョン数や率)
  • 媒体ごとにプロモーションを行った時期、アクセス数、コンバージョン数や率
  • 競合サイトの売上(これは無理な場合も多いが、競合会社が上場企業の場合は、決算書関連の資料を見ることで把握できる場合もある)
  • 競合サイトの商品やサービスの数
また、『インターネット白書』やウェブ上で公開されている調査データなども活用するといいだろう。業界全体の規模、売上推移、商品販売台数、業界の売上シェアなど、関連する数値データは探せばいくらでも出てくる。
こうした数値データは、上司を説得するための資料作り非常に役に立つ。分析や使い方さえ間違えなければ、立派な企画立案の根拠として最も重要な要素となる。
また、入手した数値データをじっくり見ることで、新たな課題の発見やソリューションのヒントが浮き出てくる場合も多いため、数値データの入手は徹底的にやってほしい。

ROIを知る(常にROIの視点で)

「ROI」という言葉をご存知だろうか。Return On Investmentの略で、日本語で言うと「費用対効果」のことである。上司を説得する場合には、この「ROIの視点」が生死を分けると言っても言い過ぎではないのだが、「ROIの視点」を常に持って企画書を作成している人には、私はあまりお目にかからない。
簡単な例で「ROI」を説明してみよう。
1,000円で仕入れた商品を2,000円でウェブサイト上で販売しているとする。粗利は1,000円だ(説明が複雑になるのでこの場合決済手数料や郵送費などは考慮しない)。
広告やメルマガなどのプロモーションを一切やらなくとも月に平均100個売れている。単純に考えて、粗利は月平均10万円となる。
ある月に20万円のバナー広告を出した。その月の販売が250個となり、粗利が25万円となった。
このバナー広告の出稿は、ROIがとれているだろうか。答えはNOだ。
今回バナー広告の粗利への効果は、何もせずとも得られる10万円を差し引いた15万円となる。20万円を出費して、15万円しか儲からなかったのだ。要するにバナー広告をやったことで5万円が消えたことになり、「やらなかった方がよかった」とう結果になる。
「バナーによって商品が露出されブランディングの効果が出ているではないか」という反論もあるだろう。しかし、それならば最初から5万円分のブランディングの企画を作るべきだ。目標がすり替わっているこうしたコメントは、まともな上司なら一番嫌う言葉なので注意しておこう。
話を戻すが、「ROIの視点」とは、かけた予算に対してちゃんと効果がでるかどうかということである。当たり前の話だが、ROIが取れることが保証されていれば、だれも反対はしない。
上司を説得できる企画書とは、ROIが取れることが数値的根拠に基づいてきちんと説明できるものを指す。もちろん、正確な効果を事前に予測することは、だれもできない。ただ、数値的な資料を入手し、そうした数値データに基づいて企画書を作成することで、ある程度予測することは可能だ。感覚的な企画案ではなく、「ROIの視点」を持ち、数値に基づいた企画書を心がけよう。

冒頭のダメな企画書は何が悪い?

では、冒頭で図1に示したダメな企画書のどこが悪かったのかを解説しよう。
ちょっと見ると、目的やコンセプトがわかりやすく明記され、ユーザビリティやアクセシビリティなど、最近のキーワードも盛り込まれている。自社のウェブサイトのユーザーセグメントも見やすく、良さそうな企画書である。しかし、私が上司ならば、この企画書で予算をかけてリニューアルしようとは思わない。何点かあるので箇条書きにしてみる。
  • 背景や現在のウェブサイトの状況(アクセス状況など)が記述されていなので、現状がどうなっているのか、まったく把握できない。
  • ユーザビリティの向上がウェブサイトに必要だと断言しているが、なぜユーザビリティが必要なのかがわからない。
  • コンセプトを含め、「使いやすい○○」「わかりやすい□□」「ファッショナブルな△△」など、曖昧な表現が多く、どういうサイトになるか想像もできない。
  • 来訪ユーザーセグメントの根拠がなく、図を表記しているにもかかわらず、その説明がないのでこの図を表記した意味がわからない。
  • 数値データがまったくない。
私が前述した「現状分析」「数値情報」「ROIの視点」がまったくないため、あらためて読み直すと、根拠がないことに気づくはずだ。

上司を納得させられる企画書例

まず、書かなければならない要素を抜き出してみよう。ウェブサイトリニューアルの必要性があるのであれば、まず、「現状分析」は必要不可欠だ。その分析データで特に改善しなければならないものを「課題」に記す。そして改善する場合の「目標数値」、目標を達成するための「具体的施策」となる(図2)。
図2 良い企画書の構成要素
図2 良い企画書の構成要素(画像をクリックで拡大)
この要素を元に企画書を書いてみよう。
まず現状分析では、サイトのアクセス解析の基本データを見てみる。直帰率(ここではサイト全体の平均直帰率)が多いことと、平均ページビュー数が少ないことがわかったとしよう。
そこを掘り下げて、半年前ぐらいからの直帰率と平均ページビューの推移を調べてみたところ、3月から悪化傾向にあることがわかった。こうした場合、3月の前と後で何かウェブサイト上で変化がなかったか調べてみるのが一番だ。ここでは、新製品発売がいったん途切れ、それにともなってウェブサイトの情報更新が止まったことが判明した。
そこから、課題として、ウェブサイトの情報更新は新製品発売に依存していたことがわかり、ウェブサイトの活性化を図るためには新製品発売に依存しない情報更新やコンテンツ提供のためのサイト改善が必要なことがわかってくる。
次に目標数値だ。新製品が毎月発売されていた時点での平均ページビュー数は2ページ程度、また直帰率は、50%前後。リニューアルを行う場合は、新製品情報以外の情報提供(コンテンツ更新)と新着情報告知などの改善を行うことを考えると、3月以前の数値よりも上回ることができると想定される。平均ページビュー数を2.5ページ以上、直帰率を45%以下と目標を定めておこう。
最後は具体的な施策の内容だ。ここ書く施策が目標達成可能かどうか判断される材料となるため、最後まで手を抜かない。
平均ページビュー数増加のためには、ユーザーアンケートを行い、ユーザーが求める新コンテンツを掲載していくこととし、直帰率を軽減するためには、直帰率の高いページを抜き出し、その原因を把握して改善を図ることを明記する。
こうしてできあがったのが、次の企画書だ。
図3 上司にOKを出させる良い企画書の例
図3 上司にOKを出させる良い企画書の例(画像をクリックで拡大)
図1の「ダメな企画書例」と比べてみてほしい。現状分析を行い過去のデータも活用しつつ課題を明確化し、数値データに基づいて目標や施策を立てることで、説得できる企画書に変えることができる。
これ以外にも、前述した上司のミッションなど、考慮しなければならない点はいくつもあるが、まずは、ダメな企画書例とそうでないもの違いを理解してほしい。

 

 

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