2014年4月10日木曜日

「ターゲティング」とは? ネット広告の背後にある仕組みから考える

http://markezine.jp/article/detail/18705



ターゲティングとは?

 ネットサーフィンをしていると、バナーやレクタングルなどの広告を当たり前のように目にする。
バナー広告とレクタングル広告
 何気なく閲覧しているウェブサイトに表示されている広告ひとつひとつの裏では、広告を見る人にとって広告の価値のある情報を届けられるよう、さまざまな試行錯誤が繰り広げられている。そのひとつが"ターゲティング"という技術だ。
 「前に見たサイトの広告が表示されているなぁ」とか「妙に自分の趣味に関連する広告が表示されるなぁ」という認識の人も多いと思うが、それもターゲティングの結果である。ネット広告に携わる人ならばあたりまえのように耳にする“ターゲティング”という言葉。しかし、それは実際にどのようなしくみで成り立っているのだろうか?
 第1回となる今回は、バナー広告をはじめとするディスプレイ広告(以下、広告)の基本的な表示の仕組み、ターゲティングの種類、ターゲティングを行う理由を解説したい。

バナー広告の基本の仕組み

 そもそもバナー広告は媒体社(ウェブサイト運営社)が広告主や広告配信事業社と契約し、広告表示可能なスペース(広告枠)を用意してはじめて広告が表示される。その際、広告のクリエイティブをサイトに直接貼付ける古典的な方法もあるが、現在では媒体社の「アドサーバー」と言われる広告管理用サーバーを経由して広告を表示する方法が一般的だ。
 たとえばあなたがブラウザを使って、見たいWebページにアクセスすると、要求した内容が媒体社のコンテンツサーバーからダウンロードされ、ブラウザにサイトが表示される。このとき、そのページに設置された広告枠にアドサーバーから広告が配信され表示される。
アドサーバー経由の広告配信の仕組み
 
 
 
 

ターゲティング広告の種類

 このような仕組みのもと、バナー広告は誰かがサイトを訪れるたびに表示される。このとき、ページがロードされるたびに、単に広告を表示するのではなく、『どこに広告を出すのか?誰が広告を見るのか?』という観点で表示する広告を切り替えたりする。
 それが“ターゲティング広告”なのだ。
ターゲティング広告とは
 ターゲティング広告といっても実は色々な種類が存在する。ここではターゲティングと称される広告配信手法の概要と利用目的の一部を紹介しよう。

サイトターゲティング

概要:特定のウェブサイトにのみ広告を表示する。
目的:サイトを指定することで、広告表示先ウェブサイトを閲覧中の消費者に広告を表示できる。

コンテンツターゲティング

概要:広告表示先ウェブページのコンテンツに関連する広告を表示する。
目的:ウェブページのコンテンツに関連する広告を表示することで、訴求内容に興味を示すであろう人に広告を表示できる。

デモグラフィックターゲティング

概要:年齢、性別、居住地域といった広告を見る人の属性情報(デモグラフィック)に応じて広告を表示する。
目的:訴求内容に興味を示す可能性の高い属性情報を持つネット利用者に広告を表示できる。

行動ターゲティング

概要:ネット利用者の行動履歴に応じて、興味・関心を推測し関連した広告を表示する。
目的:訴求内容に興味・関心がある人に広告を表示できる。

リターゲティング

概要:広告主サイトに訪れたことのある人に、広告主サイトとは別のサイトで広告を表示する。
目的:一度サイトを訪れた人に対して、再来訪を促すことができる。
 リターゲティングも厳密には行動ターゲティングのひとつだが、現在、最もポピュラーなターゲティング手法である。ちなみに「リターゲティング」はマイクロアドの登録商標である。

ターゲティングを行う理由

 ここまで5種類のターゲティング手法を紹介したが、なぜわざわざターゲティングする必要があるのだろうか?
 広告のターゲティング技術は一重に、広告効果向上のためにあると言っても過言ではない。当たり前のことかもしれないが、お金を払って広告出稿を行ったからには、広告主としては出稿した広告がどのくらいの効果があったのか気になるはずだ。
 もし出稿した広告に効果がある、つまり広告主の利益につながるのであれば、広告出稿量を増やすことで広告主は利益を拡大できる。ターゲティングによって訴求したい層に確実にメッセージを届け、表示する広告の"効果"を向上することができれば、広告出稿量は必然的に増えてくる。
 広告効果の向上は、媒体社にとっても重要だ。広告の表示回数などに応じた広告掲載料で収益を得ている媒体社にとって、広告枠はサイトを運営する上で重要な収入源となる。効果の高い広告出稿量の増加は、媒体社の収益向上につながる。
 一方で、ネット広告を見る人にとって広告は煙たい存在という面があることも忘れてはならない。たとえば、見ている人の年齢・性別を正確にターゲティングして商品を訴求したからといって、見る側がそれを好ましく思うかどうかは別の話だ。
 広告を価値ある情報として受け取ってもらうには、ネット利用者にとってメリットのある広告を表示したり、"同じ広告が表示され続けている"ような違和感を回避するなど、さらなる技術の改善が必要だ。媒体社・広告主・広告を見る人、それぞれにとって価値のある広告を表示可能とすることが、いま求められている。

次回予告

 次回は各ターゲティング手法が、どのようなしくみをもとに実現されているか、そして、効果が出るとされるターゲティング広告のポイントなどを紹介していきたい。

 

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