携帯電話3社の2013年4~6月期連結決算が30日、出そろった。米アップルのスマートフォン(高機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)」の販売が伸び、さまざまな割引策が奏功したKDDIとソフトバンクは増収増益を確保。NTTドコモは、ソニー製の「エクスペリア」と韓国サムスン電子製の「ギャラクシー」を割引販売する「ツートップ戦略」で売上高に当たる営業収益は伸びたものの、端末の販売促進費用がかさんだことで営業、最終利益とも減益となった。
KDDIは、スマホと固定回線をセットで契約すると使用料を割り引く「auスマートバリュー」の利用が伸び、業績拡大を牽引(けんいん)。営業収益は4~6月期としては初めて1兆円を超え、同期では過去最高となった。
昨年末から5月末にかけて通信障害を相次いで起こしたものの、早期復旧や割引キャンペーンで顧客のつなぎ止めに成功。4~6月は契約者に占める解約の割合が0.56%で「業界で最も低い水準を安定的に維持できた」(田中孝司社長)という。
ソフトバンクはアイフォーンの販売増などで増収を確保。4~6月の契約純増数は約81万台にのぼり、KDDI(約67万台)やドコモ(約9万台)を引き離した。
さらに、4月に連結子会社化した新興ゲーム会社、ガンホー・オンライン・エンターテイメントが、スマホ向けゲーム「パズル&ドラゴンズ」の大ヒットで急成長。「全く期待していなかった子会社の大化け」(孫正義社長)も収益に寄与した。
一方、ドコモはツートップ戦略で、従来型携帯を利用する顧客の買い替えを促し、販売台数の上乗せでは「一定の成果」(加藤薫社長)を挙げたものの、他社からの乗り換えで新たな契約者を獲得する効果は薄く、苦戦が続いた。
《携帯電話3社の2013年4~6月期決算》
- | 営業収益 | 営業利益 | 最終利益 |
---|---|---|---|
NTTドコモ | 1兆1135(3.9) | 2474(▲5.8) | 1580(▲3.8) |
KDDI | 1兆24(16.3) | 1786(89.6) | 681(32.9) |
ソフトバンク | 8810(21.4) | 3910(92.3) | 2382(2.2倍) |
※単位:億円。カッコ内は前年同期比増減率%、▲はマイナス
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