2013年8月22日木曜日

カフェで気兼ねなくネバれる限界時間と必要コスト

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDJ1301M_U3A810C1000000/


 「混雑時のご利用は90分を目安とさせていただきます」。最近都内のカフェなどで長時間の利用を控えるよう促す注意書きが目に付くようになった。外出先でちょっとした作業や試験勉強をしていた人は肩身が狭くなってきた。標準的な注文をした場合、何時間ぐらいなら滞在できるのか。ほかに店員の目を気にせずに過ごせる場所はないのか。調べてみた。
■混雑時は利用制限も
混雑したカフェでの長居は周りの目も気になる
混雑したカフェでの長居は周りの目も気になる
 東京・品川の大井町駅前にあるマクドナルド大井町東口店。店内の1階の目立つ部分に「下記の行為を固くお断りします」というポスターが掲げられている。その中に書かれているのが「飲食目的以外の長時間(1時間以上)の客席の利用」だ。同様の注意書きは混雑時のカフェでも見られる。
 ファストフードチェーン店やカフェチェーン店は来店客へのサービスの一環としてWi―Fiサービスの提供や一部店舗では電子機器を充電するためのコンセント口の貸し出しなどを行っている。日本マクドナルドは全国3265店舗(2013年6月末)のうち約3100店でソフトバンクテレコムのWi―Fiサービス「BBモバイルポイント」に接続できるサービスを提供している。「食事以外でも快適に過ごせる環境を提供する」(同社)のが狙いだ。スターバックスコーヒージャパンも全国約980店舗のうち900店以上でWi―Fiサービスが使える。
 各社は「来店を促すため」(日本マクドナルド)にサービスを始めたが、持ち運び可能なパソコンやタブレット(多機能携帯端末)、スマートフォンの普及でWi―Fiやコンセント口の利用へのニーズは上昇。勉強する学生に加え、空き時間にちょっとした仕事をする人も出てきた。想像以上に長く使う客が増えたことで、利用時間を制限するところが出てきたようだ。
 チェーン店が実際に利用時間を制限するかは「各店の判断に任せている」(スターバックスコーヒージャパン)。サイゼリヤのように事前に告知するところもある。
 実際、1回の注文で混雑時も何時間ぐらい滞在できるのか。各チェーン店に混雑時にどの程度を長時間として判断するかを聞くと「1回の注文で1時間半から2時間」が目安のようだ。仮にコーヒー1杯を注文するとすると、100~500円程度かかることになる。
 先駆けて充電用のコンセント口の貸し出しやWi―Fiサービスを始めた「喫茶室ルノアール」を展開する銀座ルノアールの場合、現在ほぼ全店でWi―Fiサービスが使える。顧客の平均単価は600円前後。原則として、利用時間を制限することはないという。

これに対し、セルフ式のカフェ「ニューヨーカーズ・カフェ」では、混雑具合に応じて店によっては「長時間のご利用はご遠慮ください」と告知を出すこともある。平均単価は300円前後で「手軽に楽しんでもらう分、回転率を上げる必要がある」(同社)ためだ。
■滞在専用スペースも増加中
 ファストフードチェーン店やカフェは、飲食サービスが中心なので「滞在」の利用の制限は仕方がない。そのため最近は勉強やちょっとした仕事をするために一定時間滞在できる場所を提供するところも増えてきている。共同で何か仕事をすることを目指す共用型オフィスとも違い、あくまで1人で作業や勉強をするのが主な目的だ。1時間あたり500~1000円程度で使えるところが多い。
主な専用スペースの利用料金
名称場所料金条件
勉強カフェ
(北参道ラーニングスタジオ)
東京・渋谷1時間あたり630円平日のみ
beez渋谷店東京・渋谷1時間あたり400円
HAPON新宿東京・新宿1日あたり2000円平日10時~19時、土曜日11時~18時
新宿トラベラーズ・コワーキング東京・新宿1日あたり1000円
CERO東京・千代田1日あたり1000~2000円平日
下北沢オープンソース・カフェ東京・世田谷1日あたり1000円10時~20時
 東京・神奈川で6カ所の「勉強カフェ」を運営するブックマークス(東京・渋谷)。会員登録せずに使う場合、1時間あたり630円。無料のコーヒーサービスもある。1カ所のカフェが平日・休日ともに使える一般的な会員の場合は1カ月あたり1万円弱。開業当初は1万円強だったが、カフェなどの客単価を考慮しつつ徐々に値下げしたという。休日や平日夜だけの利用で割安な料金設定もある。
 勉強カフェは、創業者が会社員時代にカフェなどをよく利用した経験から「社会人が終業後や休日に会社や自宅以外で気兼ねなく勉強できる場所が必要」と思ったことが開業のきっかけになった。「昼休みを使って勉強する人や営業中に立ち寄って書類を整理する人などの利用が多い」(ブックマークスの隈田亮太コミュニティコーディネーター)ほか、最近は土日の利用が増えているという。
 このような会員制に近い専用スペースは緩い利用者同士の交流もあるようだ。登録前に立地条件やどのような人が集まっているのかを確認したい。
(商品部 岩本貴子)

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