2013年2月13日水曜日

漫画誌 休刊続く 収支合わせるのが難しく

■想像通り厳しい状況なのだなぁ。。。(担当:i)

漫画誌 休刊続く 収支合わせるのが難しく(東京新聞より)

 

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出版不況の中、漫画雑誌の減少が止まらない。大人向けの漫画誌「漫画サンデー」(実業之日本社)が、十九日発売の三月五日号を最後に休刊する。漫画がまず雑誌に連載されて単行本になり、アニメや映画になることで利益を上げていくビジネスの形は、曲がり角に来ている。 (岩岡千景)
 漫画サンデーは、週刊少年サンデー(小学館)や少年マガジン(講談社)と同じ一九五九年に創刊。昨年十二月まで二十四年間、連載された新田たつおさんの「静かなるドン」や、畑中純さんの「まんだら屋の良太」などのヒット作を生み出してきた。過去には手塚治虫さんや水木しげるさん、藤子不二雄(A)さん、つげ義春さんらも作品を発表してきた。
 だが近年は売れ行きが伸び悩み、昨年六月から週刊を隔週刊に。休刊を決めた理由を編集長の森川和彦さんは「漫画は今、雑誌では大半が赤字。単行本化され、アニメなどになって採算が取れる。だが、うちは読者の年齢層が四十代後半以上と高く、単行本を買わない層のため、収支を合わせるのが難しくなった」と説明する。
 漫画サンデーで「胃食・道源」を執筆中の漫画家土山しげるさん(62)は「三十年以上の付き合いがあった。最初に掲載された頃は漫画が雑誌でも単行本でも売れるいい時代だった。休刊は非常に残念」と寂しげに話す。
 二〇〇八年には週刊ヤングサンデー(小学館)が、一〇年には週刊コミックバンチ(新潮社)が休刊に。出版科学研究所によると、休刊した漫画誌は二〇一二年は十四点。一一年は十点、一〇年は二十三点あった。
 「スマートフォン(多機能携帯電話)などを使う人が増えて娯楽が多様化し、漫画誌の市場は確実に縮小している」と、同研究所研究員の若林秀樹さんは話す。漫画誌全体の売上額も、一九九五年の三千三百五十七億円をピークに減少し、二〇一一年には千六百五十億円まで落ち込んだ。
 評論家で日本マンガ学会会長の呉智英(くれともふさ)さんは「漫画サンデーは、大衆食堂や田舎の喫茶店に置かれてきた庶民的な雑誌だった。看板の『静かなるドン』も連載が長期になり、物語の最初が分からなくて新たな読者が付かず、限界に来たのだろう。不況で広告が入らず、売れる単行本も限られ、同様に懐具合の厳しい漫画誌は多い」と話す。
 出版不況の中の漫画産業を描いた「なる☆まん!」作者の漫画家・山野車輪さんは「ビッグコミックオリジナルや週刊少年ジャンプなど、今も人気の漫画誌はある。ただネットで情報が安く簡単に手に入る今、人がお金を出すのは漫画界では機動戦士ガンダムやONE PIECE(ワンピース)などブランド化した作品になってきており、こうした作品がない漫画誌は厳しいだろう」と指摘する。
 「マンガ進化論」の著書があるライターの中野晴行さんは「最近は漫画も電子書籍への移行が話題になるが、どんな作品をどう売っていくか、明確な商業戦略がないのが実情。日本の漫画作品には海外でも人気を集める力がある。出版界などは海外も視野に市場を分析し、漫画産業を発展させる戦略を立ててほしい」と提言している。

 

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