2013年2月19日火曜日

ドコモ襲来に先手、auもiPhone下取りへ 独自取材で明らかになったスマホ戦略


ドコモ襲来に先手、auもiPhone下取りへ

独自取材で明らかになったスマホ戦略





ソフトバンクでは、アップルのアイフォーンを最新機種へ買い替える場合には、旧機種の下取りサービスを行っている。これと同様のサービスをKDDIが準備していることが、東洋経済の取材で明らかになった。
現在、KDDIは中古品の売買に必要な古物商の許可申請を各都道府県で進めている。同時に、au端末を販売する代理店も、各地で許可申請に向けて動き始めた。
下取りをスタートする日は未定だが、「いつでも開始できるように準備をしている」と関係者は語る。開始日のターゲットになっているのは次期アイフォーンの発売日。その狙いはズバリ、NTTドコモ対策だ。「ドコモがアイフォーンを導入したら、KDDIではなく、ドコモを選ぶユーザーは多いはず。流出を防ぐための対策を打っていく」。
そもそもKDDIがアイフォーンに参入したのは2011年9月。アイフォーン4Sから取り扱いを始めた。それまで、スマートフォンシフトの遅れでソフトバンクへの顧客流出が続き、「草刈り場」と化していたが、アイフォーン導入で形勢は好転。他社からの流入が拡大し、「番号持ち運び制度」(電話番号を変えずに携帯電話会社を乗り換える)を利用した契約純増数は2011年10月から16カ月連続で首位をキープしている。
アイフォーン人気に加え、固定回線とスマホとの一括契約で月々1480円割り引く「auスマートバリュー」などの付加価値サービスも、人気を集めている。全国のケーブルテレビ事業者との提携により世帯カバー率は8割に及ぶ。同様のサービスを行うソフトバンクのカバー率より圧倒的に高い。

ドコモの逆襲を警戒

KDDIとソフトバンクはアイフォーンをめぐる、わかりやすいライバル関係だ。新端末を購入する際、最大2万円で旧端末を下取りするサービスもソフトバンクが生み出したもの。単純に考えれば、ソフトバンクを意識した対抗策に見える。
ところが、冒頭に記したように、KDDIが意識しているのは、ドコモのアイフォーン参入だ。ドコモは現在、顧客獲得競争で独り負けが続いている。昨年11月には携帯電話の契約数が5年3カ月ぶりの純減となり、1月にも純減を記録した。他社への顧客流出、特にKDDIへの流出が顕著だ。KDDIにとって新規ユーザー獲得の源泉といっていい。
もちろん、ドコモも対策を打っている。足元で販促費を積み増しただけでなく、ソニー「エクスペリアZ」、パナソニック「エルーガX」など多彩なアンドロイド機をそろえ、ユーザー流出にブレーキをかけようと必死だ。
アイフォーン導入も否定していない。加藤薰社長は「アイフォーンは魅力的な端末。販売台数の2~3割など、ラインナップの一つとして扱えるなら導入の可能性はある」と繰り返している。
ドコモがアイフォーンを扱えば、ユーザー流出が止まる可能性は高い。それどころか、アイフォーン5が対応するLTE(次世代高速通信網)の構築で先行していること、全国規模で圧倒的なブランド力を誇ることから、流出したユーザーがドコモに逆流する可能性も高い。ソフトバンクには下取りという流出を防ぐ武器がある以上、同じ武器を用意したほうがいい、とKDDIは判断したわけだ。
ドコモとアップルがアイフォーンの販売開始で合意できるかどうかは不明だ。08年の当初の交渉で決裂した際のしこりが残っており、アップルはドコモを毛嫌いしているともみられている。しかし、いっそうのシェア拡大には全キャリア対応の意義が大きいことも間違いない。Xデーに備え、KDDIは警戒モードに入っている。

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