2013年11月20日水曜日

ドコモがパイオニアと描く「クルマ向けクラウド戦略」――第1弾としてスマホに話しかけると渋滞情報

http://businessnetwork.jp/Detail/tabid/65/artid/3137/Default.aspx



NTTドコモ 副社長の岩崎文夫氏(左)と
パイオニア 社長の小谷進氏
NTTドコモが、パイオニアと共同で進める次世代自動車向けクラウド基盤がい よいよ動き始めた。第1弾としてスマートフォンに話しかけるだけで運転中に渋滞情報や周辺情報などが得られる「ドコモ ドライブネットインフォ」を12月から提供する。さらに今後は、自動車アフター市場の開拓にも力を入れていくという。

NTTドコモとパイオニアは2013年11月14日、スマートフォンに話かけるだけで、クラウド上で生成された渋滞情報などを教えてくれる新たなカーライ フ支援サービスを共同開発したと発表した。2013年12月中旬からドコモが「ドコモ ドライブネットインフォ」の名称で提供を開始する。利用料金は無料だ。


「ドコモ ドライブネットインフォ」のメニュー画面
「ドコモ ドライブネットインフォ」のメニュー画面


このサービスは、パイオニアが11月に運用を開始する次世代自動車向けクラウド基盤「モバイルテレマティクスセンター」を活用するもの。このクラウド基盤 はドライバー向けの情報サービスや自動車関連ビジネスでの活用を想定して開発されたもので、「地図エンジン」や「クラウドナビエンジン」、各種ビッグデー タを解析処理する「運転状況把握エンジン」などが搭載されている。

ドライブネットインフォでは、このクラウド基盤とドコモのしゃべってコンシェルの技術を応用した音声意図解釈技術や音声合成技術を組み合わせて、渋滞情報 や周辺情報の提供や電話の発信、SMSの送受信、最新ニュースの確認などを、スマートフォンに話しかけるだけで利用できるようにしている。対応端末は、ド コモの2013-14年冬春モデルのAndroid端末だ。iPhoneへの対応については未定である。

渋滞の状況をシステムを介して前方の車に問い合わせるSNS型のサービスも
渋滞の状況をシステムを介して前方の車に問い合わせるSNS型のサービスも提供される


この日、東京都内で開かれた発表会でNTTドコモ代表取締役副社長の岩崎文夫氏は、「ドライブネットインフォは、パイオニアの自動車向けクラウド基盤を核 とした『ドコモITSクラウド』を活用したサービスの第1弾。今後は、コンシューマー向けだけでなく、車両の動態管理や情報管理、さらには整備事業の CRM、カー用品販売のCRM、自動車保険の高度化など、拡大が見込まれる自動車のアフタービジネスをサポートするサービスも提供していきたい」と説明し た。

9月19日には自動車アフター市場の新たなビジネス領域の開拓を目指して、カー用品販売会社やパイオニア、ドコモなどが参加する「次世代オートアフタービ ジネス研究会」が発足しているが、この活動を通じてドコモITSクラウドの具体的な活用法を開拓していく考え。例えばCRMでは車の走行距離などを把握し てタイヤの交換時期をユーザーに知らせるなどの展開が考えられるという。岩崎氏は、「ドコモITSクラウドのグローバル展開も進めていきたい」と意欲を見 せた。

ITSクラウドの今後の展開
ITSクラウドの今後の展開


パイオニア代表取締役兼社長執行役員の小谷進氏はモバイルテレマティクスセンターについて、「自動車関連のビジネスやサービスを支える基盤として開発し た」と説明したうえで、「自動車、通信業界をリードする企業とともに新しいビジネスモデルを構築し、より多くの方に新しい価値を提供していきたい」と語っ た。

ドコモとの協業については、「パイオニアのクラウドと、ドコモの課金・認証システム、最先端の通信インフラ、コンテンツ、音声の解釈を実現するクラウド技術を組み合わせることで、さまざまなデバイスを対象にしたシームレスなサービスを提供できると考えている」という。

モバイルテレマティクスセンターのコンセプト
モバイルテレマティクスセンターのコンセプト


また、ドコモの岩崎氏は、ドライブネットインフォを無料で提供する理由について、(1)より高度なナビ機能が利用できる有料サービスのドライブネットナビへの導線になると期待できること、(2)利用者が増加することで渋滞情報などの精度が向上することの2点を挙げた。

ドライブネットインフォのアプリは起動中、10分に1回程度の頻度で加速度、緯度経度などをクラウドに送信。ドライブネットナビやパイオニアのカーナビ ゲーションなどから得られるデータと合わせて、渋滞状況が算出される。利用者の増加によって高精度の情報提供が可能になることから、ドコモでは当面200 万台程度の利用を目指すという。

さらにドライブネットインフォでは、音声認識技術を活用し、先行する車にシステムを通じて渋滞の状況を問い合わせて回答を得るなどのSNS的なサービスも提供される。

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