2013年6月12日水曜日

消費者が携帯キャリアを選ぶ基準は「ネットワーク通信の品質」?

http://news.mynavi.jp/articles/2013/06/11/mmd/



5月に相次いで行われたNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの新製品発表会。これにより、2013年夏モデルのラインナップが出揃った。ここ最近の傾向として、端末間に性能差がなくなってきていることが挙げられる。これは今夏の新製品を見比べてみても顕著だった。しかし純増数やMNPの動向に目を転じてみると、携帯キャリアによって事情は大きく異なる。これまでマイナビニュースでも取り上げてきた通り、ここのところNTTドコモではMNPによる他キャリアへの転出が続き、一方でKDDI(au)とソフトバンクでは契約者数が伸びている。今、利用者は携帯キャリアにどんなイメージを抱き、何を基準にスマートフォンを選んでいるのだろうか。
MMD研究所では「携帯キャリアに関する意識調査」を行い、その結果を公表した。同調査はNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの提供するスマートフォンの利用者(各400人、計1200人)を対象に行ったもの。「キャリア選択時の重視点」「ネットワーク通信に対する不満」「各携帯キャリアのイメージ」など、8つの質問事項が用意された。今回の調査はMMD研究所が2013年5月31日から6月4日まで行ったもの。調査方法はインターネットによるもので、調査対象は20歳以上のNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクのスマートフォンを利用している男女、有効回答は1200人(各キャリアとも400人ずつ)だった。

キャリア選びの重視点は?

スマートフォン利用者に「携帯キャリアを選択する際に重視した点」を聞いたところ、「月額料金が安い」が最も多く45.8%、次いで「通信が安定している」が37.3%、「通話エリアが広い」が33.7%と続いた。端末が高機能になるにつれ、端末価格が上昇してしまうのは当然の成り行きだ。そのため各社とも、端末価格を分割しパケット料金から差し引くなどの割引サービスを導入している。しかし消費者はまだまだ高いと受け止めているようだ。今後、キャリア側のさらなる企業努力が求められるだろう。注目したいのは、2位から5位までが通話・通信などの電波状況に関する項目だという点。つまり「ネットワーク通信が良いこと」がキャリア選択時に重視される傾向にあることが分かった。これは不満足度を聞いた次の質問の結果にも表れている。
携帯キャリアを選択する際に重視した点
不満度をキャリア別に見た結果では、「通信速度の遅さ」ではNTTドコモの44.3%、KDDI(au)の41.0%、ソフトバンクの31.5%、「パケ詰まり」ではNTTドコモの31.8%、KDDI(au)の34.3%、ソフトバンクの21.0%、「通信障害」ではNTTドコモの23.8%、KDDI(au)の29.0%、ソフトバンクの16.3%の利用者が「不満」と答えている。
次に、スマートフォンを利用する上での「ネットワーク通信の不満」を聞いたところ、「不満を感じていない」が32.1%となり、残りの67.9%がネットワーク通信に対して"何らかの不満"を感じていることがわかった。不満を感じている項目としては、「通信速度の遅さ」が38.9%、「パケ詰まり」が29.0%、「通信障害などのトラブル」が23.0%で上位となった。
キャリア別に見てみると、NTTドコモの利用者の70.2%、KDDI(au)の利用者の74.5%、ソフトバンクの利用者の59.0%が「ネットワーク通信への不満」を感じている結果となった。携帯キャリア各社は現在、LTEや4Gといった次世代ネットワーク通信の「エリアの広さ」「速さ」を競う広告を展開し、それぞれが「自社の強み」としてユーザーにアピールしている。実際、快適なインターネット通信を背景にSkypeやLINEなどのチャットアプリ、FacebookやTwitterなどのSNSが隆盛し、YouTubeやニコニコ動画といった動画サービスも広く人気を集めている。これらの快適さを体験しているユーザーだからこそ、ひとたび「通信障害」や「パケ詰まり」などによる通信トラブルが発生すると、それが「携帯キャリアへの大きな不満」へとつながってしまうのだろう。
ネットワーク通信の不満(画像左)とキャリア別の不満内容

安心感ではNTTドコモ、通信を改善しているのはソフトバンク

利用中の携帯キャリアに関わらず、直近3カ月で「携帯キャリアにどのようなイメージを持っているか」を電波状況や割引、アフターサービスなど全12項目について聞いたところ、「端末ラインナップ」「使用における安心感」「信頼性」のイメージが最も良いのはNTTドコモ、「通話品質」「通信品質」「通信速度」「通話エリア」「通信エリア」など電波に関するネットワークイメージが最も良くなっていたキャリアはソフトバンクだった。ここのところ立て続けにデータ通信障害、音声通信障害を起こし、また5月21日には消費者庁より「au 4G LTE」の広告の一部について景品表示法に基づいた措置命令を受けたKDDI(au)。残念ながら「携帯キャリアにどのようなイメージを持っているか」という質問で、存在感を発揮することはできなかったようだ。
直近3カ月の携帯キャリアへのイメージ
スマートフォンの時代となり、ユーザーが携帯電話に求めるものは「インターネット通信の快適さ」へとシフトしてきている。つまり携帯キャリアを選択する基準は「より確実に快適なインターネット通信環境を提供する会社」となりつつあると言えるだろう。既述の通り「携帯キャリアにどのようなイメージを持っているか」の質問に関して、今回ソフトバンクが多くのポジティブな票を集めたことが分かった。これは「スマホ時代のつながりやすさNo.1」を標榜する同社の企業努力が実りつつあることを意味している。ひいては、こうしたユーザーの肯定的なイメージが、純増数において他キャリアに抜きん出ている理由にもつながっていると言えそうだ。
(執筆 : 大石はるか)

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