2014年4月18日金曜日

ディズニーに学ぶ、夢を実現する“4つのC” 業務効率化とおもてなしは両立するのか?

http://www.sbbit.jp/article/cont1/27819?ref=140417bit




1983年4月15日の開園から今日でちょうど31年、今も衰えない人気を維持し続ける東京ディズニーリゾート。30周年を迎えた2013年の来園者数は3129万8000人(2013年4月~2014年3月末)で、前年から14.8%の伸びを記録。12日には累計6億人の来場者となった。運営会社であるオリエンタルランドの2014年3月期予想の営業利益は1066億円、営業利益率は23.2%で、共に過去最高になる見込みだ。その人気の秘密は一体にどこにあるのか。東京ディズニーランドのオープンに合わせて、初代ナイトカストーディアル(夜間の清掃部門)・トレーナー兼エリアスーパーバイザーとして、ナイトカストーディアル・キャストを育成した、ヴィジョナリー・ジャパン 代表取締役の鎌田洋氏が、代官山 蔦屋書店で行われた講演会にて、そのノウハウを明かした。
執筆:西山 毅

ディズニーの一貫したテーマは、“正義は悪に勝ち、愛は人を救う”

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ヴィジョナリー・ジャパン
代表取締役
鎌田 洋 氏
鎌田氏は1983年の東京ディズニーランド開園に伴い、夜間の清掃部門であるナイトカストーディアルの初代トレーナー兼エリアスーパーバイザーに就任してキャストの育成に従事、1990年には、教育部門であるディズニー・ユニバーシティでオリエンタルランドの全スタッフを指導/育成する重要な役職を務めた。 

 今回、鎌田氏が上梓した『ディズニー おもてなしの神様が教えてくれたこと』(SBクリエイティブ刊)も当時の経験を基に書かれたもので、同氏はこれ以前にも『ディズニー そうじの神様が教えてくれたこと』『ディズニー サービスの神様が教えてくれたこと』『ディズニー ありがとうの神様が教えてくれたこと』の3シリーズを執筆、合計70万部を突破するベストセラーとなっている。 

 講演会の冒頭で、鎌田氏はまずディズニーの魅力について次のように言及した。

「ディズニーリゾートにはミッキーマウスがいるから商売繁盛だと言われる。アトラクションの面白さや園内ショップの豊富な品揃え、キャストの教育の良さなどもよく語られるところだ。もちろんそれらの要素もあるが、しかしディズニーのベースには、人間が生きていく上で重要なテーマがある」 

 1955年、米国でウォルト・ディズニーが最初にディズニーランドを作った時、招待した友人に“素晴らしいものを作ったね、ウォルト、まさにユートピアだ”といわれたという。 

「するとウォルトは、“それは違う、このディズニーランドの中こそ、人間のあるべき姿で、外の世界が異常なんだ”と答えた。ディズニーには人間として普遍的な、大切なものを喚起させるテーマがある」 

 それが、“正義は悪に勝ち、愛は人を救う”というものだ。 

 もともとウォルト・ディズニーは映画の世界の人で、一番古い作品は1937年12月公開の『白雪姫』、最近では2014年3月に国内で公開された『アナと雪の女王』があるが、そのテーマはすべて一貫していて、“正義は悪に勝ち、愛は人を救う”。 

「非常に単純明快だ。このテーマを二次元の世界で描いたのが映画であり、三次元に表わしたのがディズニーランド。だから園内で働くスタッフは、テーマに沿った役割を演じる“キャスト”と呼ばれ、困っているゲストがいたら、すぐに手を差し伸べる。ディズニーの魅力の源泉はここにあるのではないか」 

 またウォルト・ディズニーは、“科学技術が進めば進むほど、人々は孤独になり、分離する”と語ったという。 

「つまり人と人との絆が薄くなっていく。だからウォルトは、人々の心が1つになる場所を作りたいと考えた。ディズニーランドの根底に流れるウォルトのこの思いも、人気の秘密になっているように思う」 

 さらに鎌田氏は、「人は何に感動するのか、ウォルトは知っていた」と続ける。 

「それは純なるもの。年老いた人でも、あるいは悪人であっても、純粋な、無垢な心は持っているはず。それがディズニーのキャラクターのテーマでもある。ウォルトは、私は子供のために映画を作ったのでない、誰もが持つ“子供の心”のために作ったのだ、と言った。人は純粋なものに感動する。ディズニーの作品はすべて、純なるものだ。これも人気の秘密かもしれない」 

ディズニーの唯一のミッションは“We create happiness”

次に鎌田氏は、講演会の会場となった代官山 蔦屋書店にも触れ、ディズニーに共通する要素が数多くあると指摘した。 

「売れている本だけでなく、専門的な書籍もたくさん並んでいる。ディズニーランドも同様のスタンスで、オープンと同時に始まった“空飛ぶダンボ”というアトラクションをいまだに続けている。もっと大きなアトラクションを作ったほうがゲストの数は増えるだろう。でも作らない。これもディズニーの特徴で、この書店もまた非常に奥行きが深い」 

 参考までに、代官山 蔦屋書店にある書籍数は実に約13万冊で、さらに同店はニューヨークのカルチャー系サイト「Flavor Wire」で、“世界でもっとも美しい書店”のトップ20に日本で唯一、選ばれている。 

「今日講演するに当たり、この書店を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブについても色々と調べてきた。そのミッションは非常にシンプルで、“私をおもしろくする会社”。この会社に勤めている人が面白くなれば、お客さんも面白くなるということだろう。ぜひ社長の増田さんと対談して、本にしたい(笑)」 

 代官山 蔦屋書店にはディズニーと共通する部分がたくさんあると語る鎌田氏だが、翻ってディズニーのミッションはただ1つ、“We create happiness”。 

「お客さまを幸せにすること。ディズニーには、そのために様々な職業があり、私がかつて所属していた夜間の清掃部門もその1つだ」

ディズニーに学ぶ、夢を実現する“4つのC” 業務効率化とおもてなしは両立するのか?

夢を実現するためのディズニーの“4つのC”

会場には小学生以下の来場者も見られたが、鎌田氏は大人向けの話として、夢を実現するためのディズニーのキーワード、“4つのC”を紹介した。 

 まず1つめが、Curiosity(=好奇心)だ。 

「これを無くすとアイデアも出てこないし、新しいものも作れない。私はこのCを“野次馬的”好奇心と訳している」 

 2つめが、Confidence(=自信、確信)だ。 

「何かをやろうとする時、ほとんどの経営者は確信など持っていない。できそうな感じがするので、やってみるだけ。私はこれを“根拠のない自信”と訳している」 

 続く3つめが、Courage(=勇気)だ。 

「ウォルトはこれを“当たって砕けろ”と言っている」 

 そして4つめのCが、Constancy(=普遍性)。 

「私は一貫性と捉えている。頑固なまでの一徹心で、こうだと思ったら曲げないこと。この4つがあれば夢は実現し、人生は成功する」 

 鎌田氏はこの話を、今年の企業の新入社員への訓話としても語りたいと笑う。 

「今年の新入社員は、自動ブレーキ型だと言われている。まずいと思ったら、自分で止まってしまう。突き抜けてはいかない。安全な生き方だ。でも今の新入社員に必要なものこそ、この4つのCではないか」 

おもてなしとは、“表裏のない気持ちで見返りを求めない気配り”のこと

海外からの観光客が日本に来て驚くことが3つあるという。 

 1つめが、鉄道の定時性、そして2つめが、2020年夏季オリンピックの招致活動でも大きな話題となった“おもてなしの心”だ。 

 ここで鎌田氏が今回上梓した『ディズニー おもてなしの神様が教えてくれたこと』の中から、おもてなしとサービスの違いについて、簡単に紹介しておこう。 

 まずおもてなしとは、“表裏のない気持ちで見返りを求めない気配り”のこと、一方のサービスは、“相手に気付いてもらうことを前提とした気配り”のことだ。 

「おもてなしの心とは、楚々としていて、これ見よがしではないもの。まさにディズニーの精神に相通じるものだ。しかし外国に行くと、サービスをしたんだからチップを寄こせといわれる(笑)。海外からの観光客が日本のおもてなしの心に驚くのも無理はない」 

 そして3つめが、清潔さ。 

「ディズニーリゾートも非常に清潔だ。ゲストを迎える園内だけでなく、キャストが働くバックステージも同様で、取引業者も驚く。空き缶1つ、ゴミ1つ、落ちていない。人は綺麗にすればするほど、汚さなくなる。これもウォルトの言葉だ」 

効率に優先されるべきは、自社のミッション

講演会終了後には、来場者からの質問コーナーも設けられたが、最後にその中から1つ、紹介しておこう。 

「一般企業では、仕事の効率化とおもてなしは相反する要素だと捉えられがちだが、その点についてどのように考えられているか?」(来場者) 

「ディズニーでも効率を大事にしている。ディズニーリゾートを運営する上での4つのキーワードがあり、1つめが安全性、2つめがゲストへの配慮、3つめがショー、そして4つめに効率が入ってくる。 

 たとえば掃除の人員配置を例に挙げれば、417パターンのシフトがある。同じ5万人の来園者でも、季節によって園内の汚れ方が全く違う。それに合わせて人を配置していく。非常に緻密な計算のもとに運営されている。 

 ただディズニーにとって一番大事なことは“We create happiness”、つまり自分たちのミッションだ。それを犠牲にしてまで、効率を追求してはダメだということ。効率を追求するあまり、自社が大事にしていることを忘れないようにしたほうがいいと思う」(鎌田氏) 

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鎌田氏が手がけたディズニーシリーズ本。合計70万部を突破するベストセラーとなった

2014年4月17日木曜日

ファミリーマートが300億円投じる次期店舗システム、導入スケジュールが判明


http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20140416/551072/?mln



写真1●三澤健司執行役員システム本部長代行兼システム開発部長(写真:村田 和聡)
写真1●三澤健司執行役員システム本部長代行兼システム開発部長(写真:村田 和聡)
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写真2●新型のFamiポート
写真2●新型のFamiポート
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ファミリーマートは2014年度から3年かけて、次期店舗システムを導入する計画だ。現行システムは2007年春に全店稼働しており、7年ぶりの刷新となる。
 CIO(最高情報責任者)に相当する三澤健司執行役員システム本部長代行兼システム開発部長は日経情報ストラテジーの取材において、次期店舗システムの導入スケジュールを明らかにした(写真1)。ファミリーマートの店舗数は国内だけで、既に1万店を超えている。そこで刷新の優先度が高い端末から順に3年かけて、約1万店以上の入れ替えを進める。
 まず、2014年6月から直営店で店舗端末「Famiポート」の刷新を開始する(写真2)。同9月にはFC(フランチャイズチェーン)店でも入れ替えを始め、2015年1月にも完了させる。
 次いで、2015年1月からは直営店で、各店に設置している「ストアコントローラー(ストコン)」を入れ替える。こちらはFC店を含めて、2015年度中盤頃までに刷新を終える予定だ。
 最後に、2016年度には店頭のPOS(販売時点情報管理)レジと検品用の端末を新しくする。
 次期店舗システムの投資額は、300億円を超える見通しだ。なお、商品の発注端末は現行のものを使い続ける。
 ファミリーマートは次期店舗システムの導入と並行して、「ファミマTカード」の入会制度などを見直し、店舗での会員カードの利用を拡大する方針を打ち出している。これにより、顧客の会員情報(ID)とPOSデータをひもづけた「ID-POS分析」を強化していく。

2014年4月14日月曜日

企画術 制約された時間の中で刺さる企画をどう作るか

http://toyokeizai.net/articles/-/33719


どんなビジネスであれ、いつも始まりは企画からだ。しかし、仕事において、常に面白い企画を生み出すことは、苦労の連続でもある。それでも限られた時間の中で、確実に刺さる企画を生み出している現場のクリエイターたちのノウハウとは何か。ウェブ時代に入り、あらゆる手段を使って企画を立てられるようになった今、企画づくりは、さらに新しい何かを求められるようになっている。では、私たちビジネスマンはどのように考え、企画づくりという仕事に取り組めばいいのか。今回は元電通マンでコミュニケーション・ディレクターである“さとなお”こと佐藤尚之さんと、朝日新聞デジタルで「浅田真央 ラストダンス」「データジャーナリズム・ハッカソン」などのヒット企画に携わった古田大輔さんに、ウェブ時代の新しい企画づくりについて聞いた。

プロフェッショナルたちは
企画はどうやって考えているのだろうか?

古田 企画を思い付くときは、いつも「こういうものがあったらいいなあ」「こういうことができたらいいなあ」とイメージすることから始まります。私の場合、企画づくりはドラえもんの世界と同じだと思っているんですね。例えば、選挙企画なら、「投票に行かない人の気持ちを聞いてみたい」「どうやったら聞けるのか」と考える。
でも、ウェブで企画を立て、単純にアンケートしようとしても、なかなか人は来ません。では、どうすればサイトに来てくれるのか、真摯な意見を聞けるようにするにはどんな仕掛けをすればいいのか、そういったことから企画を考えていきますね。
佐藤 私が企画を思い付くのは、切羽詰まった通勤電車の中(笑)。意識しているのは、1つの企画だけを考えないこと。3つ企画があれば、3つ並行して考えます。
並行して考えていると、1のために考えていたことが、2に結び付いたり3に結び付いたりする。化学反応が起こるんですね。1だけを考えていると、どつぼにはまってしまうんです。
古田 いくつか企画案を練る中で、どんな基準で「これでいこう」と決めるのですか。
佐藤 伝えたい相手にちゃんと伝わるかどうか、共感されやすいかどうかです。よくやっているのは、企画のゴールを絵で描くことです。もし投票に行こうという企画なら、大学生がキャンパスで「今日、投票に行った?」と話しているビジュアルを描いてみる。伝えたい人の笑顔や、居酒屋で乾杯して「あれって、いいよね」と語り合っている場面をイメージして絵を描く。そこに自分の企画が合致するかどうかで決めますね。


どんなに働きかけても
モノゴトはまず伝わらない

古田 かつての4マス(ラジオ、新聞、テレビ、雑誌)時代から、手法がいくらでもあるような時代になりました。紙の企画だけでなく、SNSを使っても、リアルイベントを開いてもいい。手法が多過ぎて、企画を考えるきっかけは偶然見つけることが多いのですが、どのような手段を使って、どう企画を立てようと日々考えているのでしょうか。
佐藤 メディアが決まっていたときは、バットの振り方も決まっていたわけです。その振り方に合わせて振っているとホームランも打てるし、打率もまあまあ出た。しかし、今はメディアも手段が無限にあって、普通に企画を立てていると打率が下がってしまうんですね。
プロであれば、打率3割は打てないといけない。そのために拠って立つところをいくつか決めているんです。私の場合は、モノゴトはまず伝わらない。そこから入っていきます。
というのも、現在の情報洪水の現象は誰もが指摘していますが、これは人類始まって以来の出来事なんですね。しかも、ソーシャルの時代になって、外交問題も、事件報道も、友人がラーメンを食べた話も並列に流れてくる。その中で、みんなが最初に飛び付くのは友人の話なんです。
要するにあらゆる情報の中で、一番強いのは友人の近況であって、私たちが何らかの企画を働きかけても、ほぼ相手に伝わらない時代に入ってしまったのです。
古田 確かにおっしゃる通りで、ウェブをやっているとPVが見えるので、とても残酷なんですね。私も記者でしたから、記事にどれだけ多くの労力が費やされているのかわかるわけです。でも、そんなにがんばった記事が少ししか読まれない。それを何とかしないといけないというのが、私の企画のスタートなんです。どうすれば重要な情報に興味を持ってもらえるのか、共感をもって読んでもらえるだろうか、と。
佐藤 モノゴトが伝わらない時代ですが、小さなコンテンツでも友人たちが「いいよ」と言えば、見てくれるわけです。要は関心があれば見る、コンテンツ自体に関心がない場合でも、友人には関心があるから見るわけです。
大事なのは、誰が何に関心を持っているのか、その在り処を探っていく。これからは直接的コミュニケーションよりも、間接的コミュニケーションを使って、いかに人が人に伝える状況をつくるかが必要になってくるでしょうね。

今までの企画の手法を
一回捨ててみないか

古田 朝日新聞デジタルで「浅田真央 ラストダンス」というコンテンツを展開し好評だったのですが、これはもともとニューヨークタイムズの手法を参考にしたものです。
こうした企画はコンテンツづくりに時間がかかりがちで、ニューヨークタイムズでさえ製作に半年もかかっている。企画を立てた同僚は最初に『やはりニュースは、その日に載せるものでしょ』と提案しました。事前に準備を進めれば、確かにその日の掲載は不可能じゃない。あの言葉を聞いたときはハッとしました。時間がかかるコンテンツだから、タイムリーに出せないではなく、タイムリーに出すにはどうするか。発想の転換が重要でした。
佐藤 今日あったことは今日出さないとダメなんですね。これはリアクション芸と呼ばれたりしますが、世の中で何か起きたときに、すぐにリアクションできるよう瞬発力を鍛えておく。
最近では、CMでさえリアクションが早くなってきています。例えば、「半沢直樹」が流行っているときに、ソフトバンクがすぐに堺雅人を起用してCMをやったじゃないですか。すぐに出せば情報洪水でも我々の耳に入ってくる。
これからの企画というのは、派手にやって振り向かすというよりは、細かい努力や汗が大事になってきているという気がしています。
古田 ただ、そういった新しいノウハウも、ネット上ですぐに分析されて、みんなが取り入れて模倣する。新しく何かを生み出しても、それがあっという間に古くなってしまう。ウェブ時代に新しいものを生み出し続けるのは、なかなか難しいことですね。
佐藤 新しいものって本当に必要なんでしょうか。もしブランドを認知してもらおうと思ったら、長年付き合ってもらわなくてはならない。それはたとえばほとんど結婚生活に近い。毎日の結婚生活ではいつも良いところばかり見せられるわけではありません。
結婚生活では、旦那さんがときどき奥さんの気を引こうとサービスしますよね。それって、そんなに新しかったり、高かったり、すごかったりする必要はない。むしろ、普段の行きつけの店に行く、わかりきった鍋をつくることが奥さんに響く。
そういう意味で、これからの企画は、今までの目立つ派手な手法を前提に考えることを一回捨てなければならないと思っています。

ファンベースで
考えれば答えが出てくる

古田 「データジャーナリズム・ハッカソン」という企画は、社内外で驚かれました。世の中にあふれるデータを技術を駆使して活用する「データジャーナリズム」。エンジニアやデザイナーがそれぞれの能力を生かして短期間で成果物をつくる「ハッカソン」(「ハック」と「マラソン」を合わせた造語)。ともに日本ではまだ一般的ではないものを組み合わせました。
新聞社はどこか閉じられたイメージがありますが、朝日新聞の記者が外部の人たちと一緒にデータを持ち寄り、医療や災害、少子高齢化、スポーツなどのテーマについて考え、今までにないコンテンツをつくった。参加した記者にとってもこれまでにない視点や表現方法に触れて良い経験になりましたし、社外の人たちにも、より開かれた新聞が生み出す新たな魅力を感じてもらえたと思います。
佐藤 企画といえば、これまで「目立つ」「新しい」「花火」という印象が強いけれど、実は今、そうした企画という概念自体が変わってきているのではないかという気がしています。企画を立てる際の拠って立つ前提が違ってきているからです。
例えば、昔は「ブルータス」や「ポパイ」さえ読んでいれば、ライフスタイルのトレンドが分かっていましたが、今は「ブルータス」という価値観で選ばれた情報よりも、友人たちが伝えてくるいろんな分野の情報を重視する。友人たちがキュレーションしてくれるものをより信じるようになったのです。
古田 私も企画を立てるときは、ソーシャル上で流れている情報をチェックしています。その際、ソーシャル上の友達といっても、強いつながり、弱いつながりがあると思うのですが、本当の友人たちの情報を参考にしているのか、または、ソーシャル全体の論調のようなものを参考にしているのでしょうか。
佐藤 朝起きると、前夜のうちに友人たちがセレクトした情報がSNSで流れてくる。私はそうした情報をまず一回吸収し、参考にします。それからパッケージメディアである新聞を読んで情報を補完する。私の情報源は、大きくその2つです。
実はソーシャルを使うようになって、逆に新聞を読むようになったのです。テレビだと30分で20本くらいの情報しか得られないけれど、新聞なら20分で200~300本は情報を確認できる。新聞の重要度は上がりましたね。
そこから実際の企画づくりでは、ファンベースと呼んでいるのですが、ファンやファン予備軍が何を考えているのだろう、ファンはどこにいて、どんな人たちなんだろう、ということだけをずっと考えます。そこに全部答えがある。

伝えたい人に伝わるなら
ヒットしなくてもいい

古田 これまでのやり方では、いくら面白い企画を立てても届かなくなった今、企画のプロであるクリエイターたちの方法も変わったのでしょうか。
佐藤 都会ではネットとかSNSが普及していますが、日本の大部分を占めるマイルドヤンキー(地元志向の強い新保守層)はまだTVをメインに毎日過ごしているんです。ですから、以前のやり方が通用する。つまり、伝えたい相手によって、伝える方法を変えないといけません。そのとき私は自分勝手な想像をしません。打率が下がってしまうので、調査をします。その人たちがイオンによく行くのであれば、イオンに行かなければならない。そこに行かないとわからないものがある。その人たちの周りにヒントが一杯ある。そこを根幹にしています。
古田 私も押しつけの企画ではなく、共感するかたちでどうしたら伝えることができるのか、いつも考えるようにしています。
佐藤 伝えたい人に伝わるなら、ヒットしなくてもいいと思うのです。むしろ地味でいい(笑)。私は今、東京と大阪の、ある広告賞の審査員をやっているのですが、東京の審査だと「この広告は世の中を動かしているのか」といったことが評価基準になるのですが、大阪の場合は「おもろかった」「これつくった人、いい人っぽいなあ」が評価基準になる(笑)。
伝わる相手が笑えばいい。それくらい地味な感じで小さい。でも、それこそ大事なことであり、逆に今は新しいと思っているんです。

NTTセット割解禁なら暗黒時代へ逆戻り KDDI田中社長が規制緩和に猛反発




総務省は、世界最高レベルの情報通信基盤の整備を目指し、「2020年代に向けた情報通信政策の在り方」を情報通信審議会に諮問している。審議に向けて設置された2020-ICT基盤政策特別部会では、現在、通信事業者へのヒアリングが始まったところだ。今後、論点を整理し、夏場の中間報告を経て11月に最終報告書を作成し大臣へ答申する予定だ。

ただ、具体的な議論が始まる前から「総務省はNTTグループによるスマホと光回線のセット割引の解禁を検討している」(現在は電気通信事業法で規制されている)との報道が一部でなされた。これに対し、KDDIとソフトバンク、イー・アクセスなど通信事業者65社は、「解禁されては競争が促進されない」として、公正な議論を求める要望書を総務省に提出するなど、議論の行方に注目が集まっている。

セット割引「auスマートバリュー」を武器に顧客開拓を進めるKDDIにとってもNTTグループの規制緩和は一大事だ。携帯業界のあるべき競争環境とは、そしてKDDIは今後、どのような成長を目指すのか。田中孝司社長に聞いた。

――ライバルとも協力して総務省に要望書を提出した。
本来、事業者へのヒアリングから論点を抽出していくのが順序。しかし、新聞報道が先行しているので、非常に気になっている。2020年に向けた議論なのに、NTTのセット割引解禁など、まるで規制緩和が論点であるかのようなトーンだ。NTTのあり方についての議論は、ドコモを持ち株会社から外そうとしてスタートしたものだが、現在も持ち株会社はドコモの株式を保有している。今回、携帯でナンバーワンのドコモと、光回線でナンバーワンのNTT東日本、西日本のサービスとの連携ができるようになって、しかも会社の形は何も変わらない。もし、こんな方向で決まるとすれば、変な感じがしませんか?
セット割が解禁されれば、日本は独占回帰の暗黒時代に戻ることになる。われわれは設備競争をすることで、日本を発展させ、2020年の東京オリンピック開催に向けて世界に恥じない通信インフラを作っていきたい。

ドコモのシェアが東西のシェアに近づく

――NTTのセット割を解禁した場合、どのようなことが起こるのか。
ユーザーは高いシェアの会社に引きずられていく。NTT東西は光回線で72%のシェア(13年3月末)を占めており、そのお客さんはドコモに乗り換えるだけで料金が安くなる。つまり、ドコモの45%のシェア(同)は72%に向かっていくことになるだろう。これはもう一度、大NTTの時代に戻るということだ。政府が株式の3分の1以上を保有する会社の姿がこれでよいのだろうか。

――最大手がセット割をすることで、通信費の引き下げがこれまで以上に進むという見方もできる。
目先の話だけなら、ユーザーは「安くなっていい」と思うかもしれないが、その後、どういう世界になるかは明らか。光回線では各社の競争が技術の進歩を後押しし、料金を下げ、世界一のインフラが整備された。モバイルも世界で2~3番目のインフラだ。しかし、競争がなくなれば、東京、大阪間の通話が3分間400円以上かかっていた20年前に逆戻りすることになる。こうした危機感は、ソフトバンクとも一致している。
――インフラとして、固定回線の重要度が増していくと主張している。
携帯基地局の9割以上は光ファイバーの有線につながっているからだ。現在の3.9世代と呼ばれるLTEから新しい通信規格に移行すると、データ通信量の増加に対応するため、基地局を小型化し、より細かく配置するようになる。すると、基地局につながる固定回線のコストも増えていく。その時、NTTが光回線を独占していたら、卸値が安くなるわけがない。これは恐怖だ。つまり、モバイルの議論にもかかわらず、論点としては固定になるのでわかりにくい。モバイルのコストは固定が作る時代になるということを、ぜひとも主張していきたい。
そのためには、現在の競争状態を維持しなければならない。KDDIも光回線でエリア化できているのは、関東地方と子会社による中部地方だけ。ケイ・オプティコムさんなど旧電力系でやられている会社もあるが、NTT西日本も値下げに動くなど、環境は厳しい。巨大企業に戦いを挑んでいるのが実情だろう。
田中社長は「公正な議論をしてほしい」と語る
――ソフトバンクの孫正義社長は「ドコモがわれわれと同じ土俵で戦うのは構わない」と発言している。田中社長の考えは?
そもそも、ドコモとNTT東西が連携するのはあり得ないこと。ドコモに課された禁止行為について、何がよいのか、悪いのかという点を明確に議論するのはいいと思っている。
孫さんも、ニュートラルに考えて、競争に影響を及ぼさない分野について「構わない」と言っているだけだと思う。十把一絡げに判断してしまうのは危険だ。たとえば、グループの金融会社「NTTファイナンス」との連携はどうなのか、これはまずい。すでにグループで一括請求をしてしまっているが、規制の趣旨からはずれている。ドコモを分離する流れから逆戻りし、NTTグループに有利な規制となれば、われわれはビジネスで困るし、国民にとってもよくない。公正な議論をしてほしい。

キャッシュバック競争を仕掛けたのはドコモだ

――現在の競争環境について聞きたい。3月商戦のキャッシュバックはやりすぎだったのでは?
競争を仕掛けたのはドコモだろう。iPhoneは新規も機種変更も0円にしている。3月後半にドコモがアクセルを踏んで、KDDIが追随する構図だった。当社も積極的に新規ユーザーを開拓する方針だったが、ここまでキャッシュバックが進むとは思っていなかった。コストコントロールはしているつもりだが、適切ではなかった。総務省から指導があったとの情報もあるが、実際にはなかったと思う。高額なキャッシュバックはいつまでも継続できるわけがなく、普通に考えれば年度末で終わるものだ
――昨年からはドコモもiPhoneを導入し、端末自体の差別化は難しくなっている。
KDDIとしては、そんな中でも差別化を進めようと、タブレットとスマホとのデータシェアプランを提供したり、曲面ディスプレイのスマホも投入してきたが、高額なキャッシュバックに隠れてしまっている状況だ。だが、今年度以降は、LTEの次の技術である「LTEアドバンスト」が徐々にスタートする。音声通話も3G回線からLTEネットワークを利用できるようになる。つまり、ネットワーク品質など、再び他社との違いを訴求できるようになるので、競争環境は健全な方向に向かうのではないか。
「海外ではこれから伸びる新興国の市場をターゲットにしたい」(田中社長)
――何が変わっていくことになるのか。
料金設定の方法が変わっていくだろう。振り返ると、従来型のフィーチャーフォンの時代は、さまざまな音声やデータ通信のプランがあった。ただ、ソフトバンクの「ホワイトプラン」が発表された後は、われわれもそこに引きずられる形となった。データ通信に関しても、わかりやすいプランを求める声が多かったため、現状の定額プランになった経緯がある。
今後は、乗り換えに慎重だった方もスマホを利用するようになるので、色々なプランがないと厳しいだろう。3社がそれぞれ、要望にあったプランを提供できればよいのだが。
――海外戦略について。ミャンマーで携帯事業参入を目指しているが、今後の海外展開の方針は?
ミャンマーでは住友商事と連携し、市場参入に向けて国営通信事業者MPTとの独占交渉権を獲得して協議中だ。まだ時間はかかるだろう。われわれは成長を重視しているので、海外ではこれから伸びる新興国の市場をターゲットにしたい。すでに成熟した米国市場に参入するソフトバンクとは違う。これは考え方の差だろう。中心となるのはやはりアジアだ。人口が多く、携帯電話の普及率が低い国も多いので、有望だと思っている。
――2015年度まで2ケタ営業増益を続けると標榜している。それ以降はどのように成長していくのか。2013年4月に連結子会社化したジェイコムとの連携は?
ジェイコムは、通信の分野ではインターネットを手掛けているのでKDDIと近い。スマートバリューでも連携している。また、映像コンテンツを流している会社でもある。KDDIも動画を強化する方向で取り組んでおり、これから色々協力できると思っている。セットトップボックス(デジタル専用チューナー)のような、アンドロイドベースで連携がしやすいものを広げているというのはそうした戦略からだ。
もうひとつ、電子マネーカードを使った決済サービス「auウォレット」を本格化させる。バーチャルな世界だけでなく、リアルでも橋頭堡を築く取り組みだ。スマホは最も身近なデバイスだが、スマホだけでなく、テレビや物販などのリアルでの展開も含めて、さらなる成長を目指す。これが15年度以降の戦略に関して、現時点で言えることだ。ある日突然、大きな発表があるわけではなく、今から準備を進めていかなければならない。



Amazon.com、日用品を手軽に注文できる家庭用バーコードリーダー

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20140407/548742/?ST=keitai



Amazon.comは、商品パッケージのバーコードをスキャンしたり、商品名を内蔵マイクに話しかけたりして、手軽に商品を自分のショッピングカートに追加できる小型機器を発表した。米Wall Street Journal米Re/codeなどの米メディアが現地時間2014年4月5日までに報じた。
 機器の名称は「Amazon Dash」。同社が米国で展開している生鮮食品オンライン販売「AmazonFresh」の会員「Prime Fresh」に向けて提供する。現在はトライアル(試験運用)という段階で、無料で機器を提供しており、招待制で申し込みを受け付けている。
 Amazon Dashは、長さが約16.2cm、幅が約2.85cmのスティック状の機器。本体あるバーコードスキャナーやマイクを使って商品を入力すると家庭の無線LANを介し、Amazon.comに情報を送る。その後、AmazonFreshのWebサイトやモバイル端末のアプリでカートの中身を確認し、注文を行えるという仕組み。Amazon.comによると、Amazon Dashは忙しい日常生活に耐えられるよう堅牢なつくりになっているという。たとえば小麦粉がついた手で扱っても問題ないと説明している。
 AmazonFreshは同社が2007年に試験的に始めたサービス。当初は同社の本社があるワシントン州シアトルだけで行っていたが、2013年半ばにカリフォルニア州ロサンゼルスで、同年12月にはサンフランシスコでも開始した(Amazon.com、サンフランシスコで生鮮食品を扱う「AmazonFresh」を開始)。
 Wall Street Journalによると、Amazon Dashは現在、ロサンゼルスとサンフランシスコだけで提供している。同社の広報担当者は今後顧客からの意見を聞き、トライアルの拡大を検討していくと話している。なお同社のWebサイトでは、申し込み後1~2営業日でAmazon Dashを発送するとしているが、数に限りがあるため、提供できない場合もあるとしている。


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